戦争終結後、深刻な財政難を抱えていたベルディエ子爵家は一家のお転婆娘こと、次女のアリスが裕福な家に嫁ぐことに一縷の望みをかけていた。生まれつき足が不自由な長女クロエは、妹に付き添って舞踏会に赴くが、そこで再会したのは3年前、最悪な出会いをした公爵デミアン・エルンスト・フォン・ティセ。華やかな外見とは裏腹に、彼の性格は身勝手で傲慢だった。断ち切れない悪縁に辟易するクロエ。そんな中、当のアリスが流浪の民と恋に落ち、城を去ってしまう。一族の危機にクロエはデミアンを訪ね、一世一代の大きな賭けに出る。互いに相容れない品格…。憎しみを募らせながらも、クロエはデミアンへ好意を抱いていることに気づくのだが…。