物語は、美しく頭のキレる探偵であり男爵様である青猫恭二郎と、その周りの個性的な人物達との大正浪漫的耽美系BLです。(ただし随所にギャグあり)
本仁先生の他の作品と比べると、飼育係の様にバイオレンスで救いようのないような痛々しい展開では
なく、また、DogStyleのように男っぽい骨太な感じでもないので、BLとして、かなり読みやすいのではないかと思います。
絵の美しさ(麗しさ?)もさることながら、特筆すべきは、登場人物一人一人が実に個性的かつ魅力的なことです。主人公の青猫は貴族で頭もキレるけど、少々御馬鹿だったり、助手の虎人は子供ながらに落ち着いていて毒舌だったり、対する怪盗硝子蝙蝠は素敵なおじ様だったり…。
物語は短編の積み重ねですが、登場人物のキャラクター紹介から始まり、興味が出てきたところでシリアスな話を挟んでより各々の人物像に深みがましたり、登場人物の過去の話を徐々に明らかにすることで、読み進めるとどんどん嵌まっていくうまい作りになっています。
耽美主義、大正浪漫と聞いてピンときた方、表紙絵が素敵と思った方には是非読んでいただきたいです。
(本仁先生もおっしゃってますが)いろんな萌えが詰まってます。
ちなみに、私個人としては一話から最低「夢歩く…」まで読んでいただけるとどっぷり青猫ワールドに嵌まっていただけると思うのですが、ポイントに余裕のないかたはちょいシリアスですが「夢歩く…」は序盤の中でもストーリー性の高い傑作だと思うので、是非読んでみてください。
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