藤江大智(フジエ タイチ)は、ごく普通のベータとして静かに生きてきた。
そんな彼に初めて手を差し伸べてくれたのが、大学の入学式で出会った完璧なアルファ・向井忍(ムカイ シノブ)だった。
身分も立場も違う──自分とは釣り合わないと分かっていながらも、タイチは向井に密かな想いを抱くようになる。
だがある日突然、タイチの身体が原因不明の熱に襲われる。
それは本来オメガにしか起こらないはずの“ヒート”だった。
理性を奪う初めてのヒート。その渦中で彼を抱き寄せたのは、親友の向井。
「俺の手によって一から作り上げられたオメガ。俺だけの番」
それは愛か、それとも狂気か。
完璧で一流の執着アルファ × 元ベータの出来損ないオメガ。
すべては、執着の果てに結ばれた、ただ一つの運命──