2025年 六本木
今年25歳。
ミレニアムベビーだった同級生たちは
今頃立派な社会人になれているか?
俺たち五人は相変わらず・・・・・・・
ウツケモノだ
「月夜に集まり」
「昼の顔を捨て」
「ケモノとなる」
「魂を叫び」
「音を放つ」
2025年。五人組バンド「ウツケモノ」が魂のライブを披露している。
「・・・・こうやってライブをやるのは、今夜が最期になる」
観客が涙ながら歓声を上げる。
クラギがドラムを激しく叩くと同時に、「ウツケモノ」の演奏が始まる!
次の瞬間、クラギの顔が歪む。手からこぼれ落ちるスティック。
倒れるクラギ。
《この時が来てしまったか》
不治の病にかかり、ラストライブを志半ばで終えてしまったクラギ。
資産家の息子でもあった彼は、本人の希望もありクライオニクス(人体冷凍保存)されることになった。
バンドの仲間たち四人に見守られながら、未来の医学にその命を託し、永い眠りについた。
いつか必ず再会し、みんなでまたライブをやることを固く誓い合って。
それからXX年。