2年前の事故で両親を亡くした少女、シュリ・グレンジャー。
16歳で天涯孤独となった彼女が選んだのは、体を売ることで生き延びる道。
娼婦として数えきれない男たちと肌を重ね、感情を殺しながらその日を生きていた。
そんなある日、貴族の客と揉めたことをきっかけに、その妻がシュリの元へ乗り込んでくる。
公衆の面前でヒステリックに怒鳴り散らし、「病原菌」呼ばわりしてくる夫人。
悔しさを堪えながら、シュリはただ震えるしかなかった。
そんな彼女に手を差し伸べたのは、エリオット・ローランと名乗る高貴な青年。
しかし、その手を取った彼女は、まだ知らなかった。
その先に待つ、華やかで危うい世界のことを──。