一巻目に思わせぶりに謎を散りばめていたヒロインと、運搬する品物についてのお祖父様の生前の願いとの関係や、彼女がたくましいわけ、など、ストーリー展開の過程で秘密がひとつひとつ明らかになる見せ方は、品物を狙う者達とのサスペンス要素も加わり退屈し
ない。
ただ、「実は〜」、のピースを色々入れすぎていて、その中でメイン二人の恋愛感情を挟むものだから落ち着きも悪い。原作のせいなのだろうが・・・。
ヒロインの気持ちもわからぬではないが、クライマックスで、心の中の彼の存在の大きさを自覚する場面さえ、あれでは、余計に落ち着かない。それに転回部的にも、安易と思った。
娘がいい子だわ、という、一巻目とは趣の異なる貢献を物語に果たしていて、彼女の立場に、大人のバタバタへの巻き込まれぶりが、反対に痛々しいぐらい。罪が無いだけに。
そして、やっとかつての事故の真相が大佐に伝わるとき、このストーリー、HQお得意の誤解は誰が誰に対してだったのか、という変形HQだったと解る。
では、誤解されてた相手が最も貧乏クジだったのかと、そこも、複雑な気持ちにもなる。
メイン二人の関係修復は、ハプニングをその為に作ってきた感じがして、スッキリしなかった。
絵は綺麗だが、同じシリーズの「華麗なるデビュー」 の時に入り込めたアイボと、彼のおばがこの作品にも登場しても、どこかでみた感覚が薄く一体感はなかった。同じ尾方先生の手になるのに。
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