最近、人は、人のために生きていってこそ、その幸福が自分のもとへ帰って来る、ということを忘れてしまったのではないでしょうか。人の心に活力を与える滅私の行動こそが、多数の人を動かす結果となるのです。力で人を押さえつければ、その人が弱れば排斥され
、真心で人をなびかせれば、弱ったときにも、助けられるのです。なぜなら、人は群れて生きようとするため、その群れの中での安心を求めるからなのです。真心には、思いやりからくる協調があります。一時期、思いやりは迎合だと捉える人や、協調は安易な妥協であると捉えて蔑んだ時があったようです。要するに、自己の栄達のみを中心とし、真心より、征服への作戦を重視するといった状況になってしまっているのでしょう。一人ひとりが肩を抱き合い、助け合って「人」という字を形成しているのだということを、再認識したいものです。本誌「奈緒子」では、どのような真心が育っていくのでしょうか。
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