ああも信じてくれないのにいつか心が届くと信じてるなんて、まるで漫画にでも出てくるような聖女の人柄。最後も彼を赦しちゃう仏の心。彼のことをそこまで気に入ったか。なんだかヒロインが育ちがよすぎて利用されやすいのではないかと心配になったくらいだ。
一方的な思い込みという、HQあるあるのストーリーだが、ここまで頑ななのは、訳があった。
でも、その訳がよく通用するなと思った。だって、慰謝料絡むならもっと証明書とか必要なのでは? ウソで成り立ってしまうような話なのか?
百歩譲って夫婦間での取り決めだけで裁判とか法的解決の入らなかった離婚であったとしたら、そのようなこともありなのかな、と。
でも、確認するよね、普通、という、疑念拭えず。
ことがことだけに、恥ずかしくて自分自身で調査報告の機関へ直接問い質せかったというのか?
兎に角確認しなさ過ぎ。主人公ジュリアの話も裏をとるくらいしなさいよ、せめて、と言いたくなる。
マックスとやらは、そういう性格ではなかったのね、となるが、それでウォール街で証券会社やれないでしょう・・・だって、証券会社は調査命のはずでしょうから。その業界にいながら、こと自分のことにそこまで一方的報告に乗るかって。言いがかり離婚の慰謝料なんて、立派な犯罪のレベルなのでは?
という、納得しにくい部分が気になってしょうがないが、これは、そんな男を愛してるまっすぐな女性の心が最後はついに届く話。
ならば、長くしつこく信じないでいたことへの彼の償いもタップリ見せてくれないと、読者としてのカタルシスが!!
星は、ジュリアの一途さへの評価です。駆け引きなどせず、彼に必要なタイミングで正確に伝えてきたジュリアの正しさと透明性。そして本当に名誉を棄損され続けて報われない日々を、一歩一歩進んできた可愛い心根への評価です。
終始私にはマックスが素敵な男性には思えなかった。なんで、ヒロインはこんなにこんな男にこだわるのかと、苛立たしさもずっとあった。ただひとつの真実を告げること何度めかで、やっと彼の固い岩盤が崩れ始めた。
それでも、彼の謝罪とプロポーズをいとも簡単に受け入れてしまって、読者としては彼の岩盤に比べてヒロインが寛容すぎることがどこかくやしいのだ。
ただ、それがジュリアのキャラということになる。果実は彼が見えてなかった真実。
ストーリーの成り立ち自体がそこにある。
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