まだ4巻目だが、20、22、24話が気に入ってしまいそれを書き留めておく。それは、私が花乃サイドでどうしたっていろいろ願ってしまい、雛さんやロウラさんのことがどこか胡散臭く見えててしょうがないから、そういう面倒臭いシーンから離れてる感じのす
るシーンだからかもしれない。
息を止めて集中して見守ったり、団体戦で静かに呼吸を合わせる登場人物達が、弓道の試合のなかにいる。それがくらもち先生のタッチで漫画で見事な表現で迫る。
いつでも、以前の作品を突き破って別の作風に挑戦し続ける、くらもち先生。ピカソや北斎も、一度確立したかに見えるものをあっさり変えてきたように。くらもち先生の創作姿勢も巨匠の画風変遷をたどるよう。
現状に満足しない先生の大きさ、本作でも健在。
すごいことだと思う。
読み終わるのが楽しみだ。
読み終わってーー
陽大のことをよく見ていてよく感じ取りながらも、微妙に距離を保って、混ざり合わりはしない立ち位置にいる花乃、雛、楼良の3極構造。陽大もまた3人それぞれのキャラをよく掴んでいる。さらりとした花乃は彼から強い拒絶はされないが、他の二人は拒絶されもし、より異性ポジションのハプニング(?)もある。キャラ達自身はそれ程強く意識していないとしても、対比しうる一種の強み(武器)は三竦み配置がされ、読み手の自分に、ある種の難しい緊張感を終始持ち込んでくるストーリー。3人3様で彼女らは、時に遠回しに、また時にストレートに、陽大と関わり、彼のほうは本当に僅かずつ、彼なりに事件の傷から抜け出していく。読み終わった今、読み手の緊張は解かれるのだが、あらゆる意味で記号的なほど極端に対照的だった3人が、これからどう彼に向き合うか、まだ続くと予想される、彼と彼女らの、訣別しそびれた或いは解消し損ねた或いは曖昧に引き伸ばした、4角の関係は弓を引き続ける限り、張り続けられるようだ。
弓道が好き、以外の理由で弓道をやっているようにも受け取れてしまうが、本作品に占めている弓道は4割といった体感。そのため、弓道シーンの静けさ、的に射る瞬間の画像、試合の空気が、行ったことないのに知った気がしてくる。
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