子宮が理由で年に半分の回数しか廻って来ず、そして、事実上まともには生理が年二回しか来ない女性が、見事に二人のお子さんを授かっているというケースを知っている。その姉が教えてくれた。もちろん努力の賜物として。同時に神様の授かり物であって、愛無く
しては結果は付いてこない。世に想定外妊娠もあれば、もう駄目と思っていたのに、何年目にして、もある。小さな可能性はいずれにせよ必ず存在する、ということなのだろうと、作品を読んで思い返した。
このストーリーは、紛れもなく彼はヒロインを愛していたからこそ別れたので、あり得ないと思っていた光景の出現は説明無くしては受け入れにくい。
ここは、手堅くDNA鑑定は揃えておくというのが、その家族のためであり、制作者の読者向け必須のフォローでもある。
ここで、其が証明されたから信じてあげるよ、では、このストーリーがそれまで披露して積み上げて来た、幸福な家族の光景を軽んじてしまうから、あの対応で彼が収束させるのが、結末までの残りの中で新たな波乱を生じさせない、最も三人の平和を固める着地だろうと思う。
しかし、疑惑をぶつけるストーリー爆発のシーンと、彼に、そんなもの無くたってと言わせるシーンは、近すぎる。
ここに、ならば、息子の出生とは無関係にもう家族だったさ、という彼に読者が心から共感できるビジュアル的な間(ま)がほ欲しかった。
よく、世間の常識とは反対に、病弱になったときや衰えを気にし始めるときの方が、自然現象として種を残したくなるものであるため、高頻度の反対の方に、即ち下手の鉄砲の逆の方がヒットの確率が出ると云うのは聞く。
HQ得意ネタの理由と、これまた結構な割合で展開する、何故かそれでも出来ちゃった話。
そして、子どもがすぐなついてしまうのも定番中の定番。
企業トップが仕事そっちのけ、というのも、不思議すぎるがよくある話。絵が個性豊かなJET先生で、話の平凡さを救っている。
だけれど、社長の就任時期を考えると、この職場離脱は相当危うい話だと思う。
好きだったのに別れた。その二人がヨリを戻す話が私は歓迎なので、この評価はそこから。
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