辛く悲しい大切な人の死は、あのときあんなことをしなければ良かったんじゃないのか、しておけばよかったことをなんでしてあげられなかったのか、とか、後悔で一杯。
そんな人の気持ち、誰もが胸に疼く苦さを抱えて何とか生きている、そんなところを改めて
実感させられる作品。
ネイトの後悔は、自分を責めて責めて、何とか残された人の為に、せめてなんども役に立ちたい、そこ残された頑張りと、抱いてはいけない感情を持て余しての葛藤とで、読んでいて物事を軽く考えたりなど出来ないとよくわかるキャラ、投影の仕方が絶妙。
J'sダイナーを切り盛りするヒロインはシリーズ皆の知る身近な場所。
この、お互いの近さがいい感じ。
初めて会ったときから(相手の状況を考える余裕もなく!)声をかけてたネイト、やはり、何かある人とは、初対面で響き合うことってことあるなぁ、と。後悔に苛まれて来たけれど、後悔しない生き方を踏み出すためにも良かったと思う。
ネイトの貪欲なビジネスへのこだわりは薄まるとして、ヒロインのダイナーのケータリングが大きくなっていったらどうするのだろう。
結婚後の生活はこっちとして、折角築き上げた事業基盤はどうするのだろう。それこそ死者達が浮かばれない。
絵は、やはり、時々大作りな顔に目鼻が、特に目が簡単に描かれ、私は、先生の人物は顔の造作があっさり過ぎとは感じている。
ただ、話の展開は無理がなくて、特にネイトの深い泥沼のような後悔を、他の人も個々の立場から共有し合っていると判明する迄、毎日を前を向いて歩んでるうちにゆるり日々が進み、後からその日常を思い返して、その越しかたに打たれる。
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