ヒロインの母親、よく言わないくらいならまだかわいいもの。ルークを諦めさせるために使った嘘はひどいと思う。こどもが出来てた、というのは、HQにありがちなストーリー、この場合彼の方はすぐわかる。
中東と競走馬は密接な関係がある。もう会うことも
なかったかもしれない二人の間にこの二つが入ってきて繋がった再会は、かつて存在した二人を隔てるものが今はない状態でできた再会だ。だが、母親の発した嘘によってすれ違ったまま。
素直になれれば、あのときの二人を分かつたものを確かめあえたら違うかもしれないのに。
気持ちを口にすれば、長年のすれ違いは氷解するのに、それが出来ない。
ヒロインはお友だちが悟らせてくれた自分の彼への思い、そして、彼も思ってくれてるとのお友だちの目線の状況判断を勇気に、やっと本心を出す。
読者的に、もうお互い好きなことはわかっているのだけれど、二人の中でもつれていた感情がほどけるまでに、いくつかのステップが二人には必要だった。
彼ルークの経済的な自立。その前提となる、彼の出自を貶めていた父からの、ひいては彼の父親を通じて形成されていたルークに対する町の目から離れること。
好き同士な二人がうまくいってない話はなぜこうも、うまく行くまで見届けたくなるものなのだろう。
そんな心理をHQは突いてくる。
藍先生の描かれるメイン二人は人目を引き付けてくる。瞳が大きく描かれなくても大変魅惑的。
服装がどこか洗練されておりバリエーション豊か、小物使いにおしゃれっぽさがあったり、口元がキュートで色っぽさもあり、それでいてくるっとした表情が上品。
最後に持ってこられた場面がそう来るのかと驚きながらも、イヤらしくなく、戻るところに戻った感のエンド。
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