ジャイルズの頑なな女性への誤解の基となったものも明るみになっていく。
そして、「理不尽な誤解」を、女性全体に拡大解釈していることも、修正されていく。
しかし頑固なまでに不信感根強い。
それでも、真相究明へ動き出してからの事件解決期
待は読んでいてスピード感がついてくる気がして楽しくなる。
気持ちは育つも、偽っていたことへのこだわりから素直になれない。
ここも、アナベルの性格を生かしたクライマックスで一貫性があり引き締まっている。
原先生はここでも、窓の内と外の場面多用で調度等の小道具無しで数々の会話場面を描写、先生のテクニックとは思っても、なんとなく、ひっかかりもー。葉の背景使いもやはり何回も気になる。
あとは、男性の顔にもう少し、立体感、色気や二枚目的な雰囲気か、かっこよさが欲しい。女性の服装も複数の作品で似過ぎに感じる。
でもやっぱり、マースデン夫人のところの、彼女の恐怖感のコマなど、気持ちの現れているシーンの巧みさ、流石の表現で話が生き生き。
姉妹作品との繋がりの持たせ方も、二番煎じ的な退屈さを出さないで別物として同一のエピソードを表現して素晴らしい。
邦題にはHQあるあるの違和感があって、翻訳者と編集者の問題ではあるが、タイトルは作品の顔だけに本当に残念に思う。誰も舞踏会を「夢」にしてないのに、これで読者の目を引けるとでも考えられているのが、読み手が何だかバカにされているようで悲しい。
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