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華なるもの

600pt/660円(税込)

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作品内容

「院御所を騒がすは美しい犬。」時は平安末期。武家の三男と卑しい出自でありながら、権力者たちの寝所を渡り歩き、上皇の寵人となった高前(たかさき)。美しい成り上がり者として畏怖と羨望の視線を集める高前だったが、有力貴族の御曹司・智実(ともざね)からは素直な好意を寄せられ、その余裕を不愉快に感じていた。しかし、二人の関係が決定的に変わる事件が起こり―。引けぬ意地と激情が絡み合う切なく底深い大人の恋愛劇、“数年後”を描く掌編を描き下ろし。

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作品ラインナップ  全1巻完結

  • 華なるもの

    600pt/660円(税込)

    「院御所を騒がすは美しい犬。」時は平安末期。武家の三男と卑しい出自でありながら、権力者たちの寝所を渡り歩き、上皇の寵人となった高前(たかさき)。美しい成り上がり者として畏怖と羨望の視線を集める高前だったが、有力貴族の御曹司・智実(ともざね)からは素直な好意を寄せられ、その余裕を不愉快に感じていた。しかし、二人の関係が決定的に変わる事件が起こり―。引けぬ意地と激情が絡み合う切なく底深い大人の恋愛劇、“数年後”を描く掌編を描き下ろし。

レビュー

華なるもののレビュー

平均評価:4.3 34件のレビューをみる

最新のレビュー

  • (4.0) 切なさと…虚しさ、かな
    yotikaさん 投稿日:2023/10/5
    【このレビューはネタバレを含みます】 切なく、よく練られたお話だったけど、刺さりきらなかったかな。 下級武士でありながら、美しさと知略を武器に、宮廷で成り上がろうとする主人公。憎からず思っている主人でさえも踏み台にする悪女ぶりは悪くない。心かき乱してくる智実への対抗心や、持たざる者の矜持とコンプレックスも良かった。もしかしたら、以前切り捨てた主人と智実の容姿が似ている点も、主人公の心を揺らす要因なのかも。。という点も萌えたけど、ここは特に記述がないので、描き分けができていないだけなのかどっち?と少し気になるところ。 ただ、救いがない(-_-) 年月を経て2人の間にあるのは、恋や愛というより、執着に近い何かかと。美しくみえて、どこまでも不毛な関係。悲しく感じました。 続きを読む▼

高評価レビュー

  • (5.0) 切なさが良い。
    しゅうさん 投稿日:2023/5/21
    【このレビューはネタバレを含みます】 ●1話に出てくる高前の主人敦満は、なんとこれ以降登場しません。2話にも高前は出てはきますがサイドストーリーという感じで、タイトルどおり舞の師弟の恋模様です。1〜3話は高前が冷酷無比に成り上がっていく様子が描かれ、あらすじの智実は4話より登場、以降ラストまでお話が続いていきます。 ●1話の敦満は高前の謀によって左遷されるわけですが、その別れの場面、高前には敦満への想いがあったように読めました。3話でも、敦満のことを蔑まれてブチ切れてます。それに…4話から出てくる智実は、少し敦満に面影が似ている気がします。だから、個人的には敦満は救われたな…って思ってます。 ●さて智実。高前には一目惚れだったろうと思われますが、一途に文を寄越し、高前を求めます。情などなかった高前が揺れるのは、智実が謀略など関係なく、身体ではなく、心を求められたから…かな。自分の持っていないものを生まれながらにして持つ智実への憧れもあったのかも。 ●ところがこの二人が身体を繋げるのは、あらすじにある“事件”の後。おそらく二度。月明かりの下で。桜の花のそばで。“事件”は高前自身が引き起こしたものだけど、彼は他の生き方を知らなかったのか…。そのせいで二人の間に溝が作られ、互いの胸に互いの存在を深く刻み込んだ。これはもはや、愛というより執着に近い。 ●その後、高前は流刑になります。初めて智実が流刑地を訪れたとき、ただ一度だけ目を合わせ手で頬に触れた、この場面好きでした…。でもそれ以降は会わぬまま、扉を隔てて同じ桜を眺めるだけ。その時間は詳しくは描かれていないですが、二人にとってとても大切な時間だったのでは。 ●月と桜、太陽の使い方が上手。特に桜はお互いにとって完全に相手そのものであり、『華なるもの』のタイトルや、話の間に差し込まれる散りゆく桜の花びらにもぐっときます。ラストは結局会わないままの死別でしたが、そうとしかならなかったような気もしました。 続きを読む▼
  • (5.0) 星4,5。短編にあらず。お上の寵愛と儚さ。
    lvivさん 投稿日:2022/8/14
    202ページ、1冊表題作(後日談2p付)。 読み終わって、涙が止まらず、、、 思わず返し読みして、いま一度、お話の余韻に浸ってしまいました。。 読みはじめは平安の都を舞台にしたショート集かと思いきや、 実は繋がっていて、都で の寵愛&進退を横糸にしたお話。 主人公が頑なで、本心を見せない、賢く美しい公達。 その見目だけでなく、芯までも、凛として美しい生き様、 そして、そこに惚れて進退をくるわす者たち。。。 美しいけど、哀しく、寂しい、、だから美しく惹かれるのか、、。 余韻が強くて、たまらない。。 時代背景のお話とかが好きな方、悲恋とか、、好きな方には、 たまらない! 歴史モノに興味ない方には、、ふんわり寂しくなんとなく終わっちゃうので、そんなに面白くないかも?しれない。。 もっとみる▼
  • (5.0) 男色文化が花開いた平安時代のおはなし
    champさん 投稿日:2023/4/9
    初読み作者様。あらすじに惹かれて購入。平安時代に生きた高前の半生を描いています。身分の低かった高前は美貌を武器に要人の寵愛を受けることで成り上がっていきますが、当然恨み妬みの対象にもなっていきます。そんな中ある一つの出会いが彼の運命を大きく 変えてしまうんですね…スゴく切ないんだけど、彼の頑なさは美しさでもあり。決して目に見えてハピエンだとは言えないのですが、ある意味では幸せも感じていたのではないかと思える描き方が素晴らしかったです。エチは朝チュンタイプ。絵が多少拙い感じはありますがストーリーに集中できたので問題はなかったです。明治になるまでは男色がさほどタブーではなかった日本ですが、平安はまさにその文化が花開いたとも言われている時代。もっとこの時代の作品があれば良いのになぁと思いました。 もっとみる▼
  • (5.0) 平安BL
    ジローさん 投稿日:2022/5/24
    【このレビューはネタバレを含みます】 この時代のBLはお初です。 身分の低い主人公が、綺麗な顔と身体を使って出世していく。 人の思惑が交差して二転三転するので、先が読めず面白かった。 ハピエンじゃなくて切なかったけど、自分の選んだ道だから、主人公は運命を受け入れていた様に思います。 今の時代にはない強さや儚さがあり、心に残るお話でした。 続きを読む▼
  • (5.0) 最近読んだ中で1番良い
    tori-777さん 投稿日:2023/3/2
    エロ描写はありますが、そこに重きを置く事はないです。ストーリー重視な方に激オススメしたい読み応えのある作品です。ハピエン至上主義な方には、うーん。ハピエンのような、そうでないような。しかし心苦しく切なく、ただ素直に幸せになって欲しいと願わず に居られない不器用で頑固な二人。そして敦満の幸せを切に願います もっとみる▼

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