絵も話もとても可愛くて、ありえないエピソードばかりなんですが、逆にありえないからこそ好きだと思えました。収録作品全て、現実味はゼロなんですが、現実味が一切無かったおかげで女の子にとって夢のような妄想域の世界に浸れました。
年を取ると現実味
を求めるのが当たり前のような思考になってしまうところがあるので、ここまで潔く妄想の世界観の漫画を読むと、何だか若い頃の可愛い少女漫画を好きだった気持ちを取り戻せました。絶対無いからこそ、あったら良いなって妄想してしまうような、乙女脳なエピソードがぎゅぎゅっと詰まった単行本だと思います。きっと作家さんは若いのだろうな、と思います(違ったらすいません笑)。
正直、何で主人公はこんなイケメンにちやほやしてもらえるの?!とかツッコミだしたらキリがありません。そんなわけで、カッコいい男の子に大した理由もなくちやほやしてもらえるような乙女ゲー好きさんとかにオススメしたい作品ですね。逆にそういうの好きじゃない人にはオススメできません。
あと、特に気になったのは恋愛のキッカケ。表題作についてはキッカケが初詣ですが、助けてくれたもののその時一瞬会っただけの関係なのに、主人公は運命の人とか決めつけてるし、男の子は初詣で会ったくらいで次に会った時キスしてもいい相手と認識しているしで、互いにどんだけ恋愛脳でモテ男脳なんだよ、と言いたくなる部分ばかり。でもキスシーンなどの絵をきちんと綺麗に描いてくれているので見せ方は上手く、読んでいてドキドキしたので萌えポイントはちゃんと抑えてくれているんですよねぇ。
読切のちやほやしてよ!については、ツッコミどころしかない。そもそもイケメン学園って何だ。なぜそこに女(主人公)が一人だけ通えるのか。そしてイケメン達はなぜ揃いも揃って主人公を好きになるのか。現実的に考えてしまうと、百歩譲って女が主人公のみのイケメン学園が存在するとして、そのイケメン達は絶対他校に彼女いますよね。こんなシチュエーションあるはずがない!(笑)でもまぁ、ぶっ飛びすぎて逆に楽しめました。好きなのに好きじゃないフリしてた彼にも萌えました。
ラストのクリスマス読切も、互いにボールを奇跡のキッカケと思ってるまとめ方は良かったのですが、ボール何かが即付き合うキッカケになるわけない。責任取るとか意味不明すぎる。
でも可愛かったので、どの話も読んで満足できました。
もっとみる▼