新書館60周年フェアにて…。本当にこの価格?と驚きました。(嬉しいような…申し訳ない様な…)
西田先生の作品は、短編集や一巻完結が多い中…このお話はニ巻完結で、少し長めのストーリーはどんな風だろう…と思って購入しました。
舞台はフラン
ス…?主人公は医師のミシェルさん。…男の子 アレックスくんと出会い、後日 彼の父親で音楽家のクリスさん夫婦とも偶然出会います。が、ふと見てしまった彼の、息子に向けた冷たい視線が気になります…。いったいこれが、どうBL展開になるんだろう…と最初は思いました。(…愛妻家で可愛い息子もいる主人公が、ある日突然間違ってBLへ…? )
だけどそこが西田先生らしい物語というか、一巻中盤あたりから、主人公が死ぬ為に生きる毎日に変わってしまって…また偶然あの時のアレックスくんと再会します…。ニ巻冒頭からはもう…BLという枠を超えて、何というか「太陽と月に背いて」とか…そんな枠の映画の様に最後は感じました…。西田先生らしい男の世界なのですが、耽美でした…。
「太陽と月〜」はアルチュール ランボーの物語なのですが、同性愛者という以上に物凄い人生で、彼の人格を理解するのは無理に近いです…。そんな風にクリスさんの人生も何だか物凄そうで、幼少期に受けた虐 待なのか、遺伝的なのかは分からないけど…大人になった彼の人格や行動は理解を超えていました。だけど彼にはミシェルが絶対的に必要で(それが破滅的な愛なのかはもう分からない…)ミシェルはそんな彼を良く理解し愛しているんだな…と、最後はそんな風に思いました。(読んだ人だけの感じ方があるんだろうな…と思う深いお話でした…。)
ヨーロッパでクラシックなのに「佐渡おさけ」て曲…シリアスな展開なのに笑いもありました…。一巻あとがきで、エチシーンの構図の難しさを宇宙人という事にしよう…と仰ってましたが…いやもう、ニ巻でそのシーンを実際に見させてもらって、脱帽しました…。そのシーンを見て、2人の今までの過去を感じました。年寄り…とかじゃなくて、経験値を見た…という感じです。あまりにカッコ良すぎて、一旦読む手が止まりました。最後の2人のイラストは、幸せなのかな…と思いました。良かったです。
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