歴史の教科書や歴史小説は苦手…という方も楽しく読めるのが「歴史漫画」の魅力!漫画なら、登場人物がイキイキと描写され、『桜田門外の変』『本能寺の変』などの事件もスンナリ頭に入ってきます。史実を忠実にたどったセミドキュメンタリー風の作品から、大胆な解釈を加えたワクワクするエンターテイメント作品まで、歴史に興味を持つきっかけになる歴史漫画の傑作65作品を紹介します。
目次
中国史に日本人が魅力を感じるのは、戦闘、陰謀、残虐さ、すべてにおいてスケールが日本とは桁違いだからかもしれません。特に、秦漢帝国時代や三国志の英雄は日本の偉人と同様に身近な存在。史実に忠実に英雄の足跡をたどる作品もあれば、キャラクターを活かして大胆にアレンジした作品も…!中国史の英雄が躍動する漫画9作品です。
【あらすじ】 時は紀元前――。いまだ一度も統一されたことのない中国大陸は、500年の大戦争時代。苛烈な戦乱の世に生きる少年・信は、自らの腕で天下に名を成すことを目指す!!2013年、第17回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞!
【作品情報】 作者は原泰久。集英社「週刊ヤングジャンプ」に2006年から連載され、2024年9月時点で73巻まで配信中です。2012年からテレビアニメ化され、第5シリーズまで放送されました。2019年から上映された山﨑賢人主演の実写映画は、第4作『キングダム大将軍の帰還』で2024年に幕を閉じました。
【おすすめするポイント】 某テレビ番組で取り上げられているのを見てしまったのが最後…一巻読んだらもう止まらない!!配信中全巻読んじゃいました。巻数多いのに飽きさせない物語展開でいい意味で"ズルい!!"次巻が待ちきれません><
【あらすじ】 中国史上唯一女帝になった則天武后(武則天)の人生を描く物語。636年、唐の時代、のちに武則天となる武照は13歳。元々地域の富豪の家である武家だが、母親違いの義兄が跡取りとなり、財産を独り占め。武照家族は食べ物にも不自由する極貧生活を送っていた。そこで、病気の母の手術代がわりに、武照は医者に処女を捧げた。しかし、既に手遅れで、手術をしないまま母は死んでしまう。 母に棺桶一つ買ってあげられず、この世に絶望する武照が見上げる空に龍が現れた。龍は武照に後宮へ行き、女同士の争いに勝って天まで上り詰めろと告げた。武照は龍の導きに従い、後宮行きを決意した。
【作品情報】 作者は本作が連載デビュー作となる園沙那絵。2021年から集英社「グランドジャンプむちゃ」に連載され、2022年からは「グランドジャンプ」に移籍。2024年9月時点で7巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 始めは後宮のヒエラルキーの最下層にいる武照が、後宮内の激しいいじめを逆手にとって、知恵によって逆境を乗り越えていきます。『宮廷女官チャングムの誓い』『トンイ』の韓国時代劇のような、貧しい身分から知恵と勇気によってのし上がっていく姿が痛快です。反対に武照を罠にはめようとしたライバルたちは、悲惨な末路をたどります。女の戦場である後宮の実態を学べる歴史巨編です。
【あらすじ】 宮中の貴重な本を集めた蔵書樓を司る「司書正」が亡くなり、新しい司書正が任命された。さらに、司書正の身の回りの世話をする係の側女として少女キビが選ばれた。司書正は起きていても一人では体を動かせないばかりか、しゃべることもできず、キビは常に司書正の介護しなければならない。ある日、大王が蔵書樓に現れ問いを投げかけると、司書正はスラスラと答えを述べた。司書正は蔵書をすべて暗記し、いつでも答えられるようになっていた。一方の大王は蔵書樓を封鎖し、二人以外は入れないように命じていた。実は現在の司書正は大王の息子・蓮だった。
【作品情報】 作者は『ストレニュアス・ライフ』『事件記者トトコ!』の丸山薫。2021年からKADOKAWA「ハルタ」にて連載され、2024年2月時点で2巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 司書正は現代でいうと、SiriやAlexaのような存在。すべての書物の内容を暗記することに能力を全振りしているため、普段はキビの介助がなければ何もできない状態です。すべての情報を頭に入れておくことは体に相当負担がかかる様子。そのため寿命も短く、世話をした側女も司書正が亡くなったら後追いで死ぬ運命にあります。キビと司書正・蓮は宿命から解放される日が来るのでしょうか?物語はまだまだ始まったばかり。今後の展開に期待です。
【あらすじ】 五丈原の戦いで死期を迎えた名軍師・諸葛亮孔明は、若い肉体に戻り、現代日本へと転生した!渋谷のパリピ達に誘われ、たどり着いたのはダンスミュージックが鳴り響くチャラめなクラブ。そこでシンガーを目指す月見英子と出逢い、孔明の二度目の人生が幕を開けた!三国志時代、天下泰平のために生きた彼は、なんの為に生きるのか−−!!
【作品情報】 原作は『魔法空艇の案内係』『転生七女ではじめる異世界ライフ』『異世界で聖女になった私、現実世界でも聖女チートで完全勝利!』の四葉タト。漫画は『赤橙』『私人警察』の小川亮。2019年から講談社「コミックDAYS」、2021年からは「週刊少年ヤングマガジン」に連載され。2024年8月時点で18巻が配信されています。2022年にはテレビアニメ化、2023年には向井理主演で実写ドラマ化されました。
【おすすめするポイント】 CM等々でこの頃めちゃくちゃよく見るので気になって(∩´∀`)∩結論から言うと面白かったです!孔明とイマドキな英子のテンポの良い掛け合い、あとオーナーが三国志オタで話合っちゃうのとか、でもちゃんと孔明孔明してるし…これは沼る。四葉夕卜先生と小川亮先生ちょっとググってみますわ。
【あらすじ】 “乱世の姦雄(かんゆう)”と呼ばれ、中国史上に巨大な悪名を残した英雄・曹操(そうそう)。だがその破格な生き様は、天に愛された者のみが持つ輝きに満ちている。この物語は、その輝きによって照らし出される新たな「三国志」である。
【作品情報】 原作者は『三夢伝』『武と魂』の李學仁。漫画は『達人伝~9万里を風に乗り~1巻』『ReMember』『ファイアキングマジカル・マンガ・オペラ』王欣太。1994年から講談社「モーニング」に連載され、2005年に全36巻で完結しています。2009年にはテレビアニメ化されました。
【おすすめするポイント】 2000年前のあの有名な三国志の世界が舞台となった破格の人、曹操(そうそう)が主人公の物語になります。画力があって、1巻の冒頭はしばらくカラーなのですが、その色鮮やかな世界観に引き込まれていきます。また、某ページには、「無」…である。というようなコマ割りのページがあるのですが、そのコマ割りの仕方が大胆なんです!なんとも魅力的な描き方をされるので独特な雰囲気を味わえます。曹操の生き方自体はあまり良いふうに思われていませんでしたが、この蒼天航路を読むと、その生き方を違った感覚で見ることができます。『達人伝~9万里を風に乗り~』の作者・王欣太先生と漫画の李學仁先生の三国志、アニメ化もされた『蒼天航路』は、これまでの三国志とは違った角度から楽しめます。
【あらすじ】 営業担当の会社員・田中は気づくと見知らぬ大草原にいた。 そこは古代中国大陸。 後に秦王朝を打倒し激突する、二人の英雄がいた時代。 彼らの名は、項羽と劉邦。 この乱世、田中に何ができるというのか!? 大人気田中系歴史小説、満を持してのコミカライズ!
【作品情報】 原作は古寺谷雉が「小説家になろう」に2018年から連載したWeb小説で、2019年に「PASH!ブックス」から書籍化され、4巻まで配信中です。コミカライズは『返事がない、ただの魔王の屍のようだ~聖職者が魔王の子分になったのに世界の半分もくれません~』の亜希乃千紗。「PUSHUP!」に2020年から載され、2024年3月時点で8巻まで配信中です。
【おすすめするポイント】 亜希乃千紗先生、古寺谷雉先生、獅子猿先生らが描く、異世界転生としては珍しい古代中国への転生物語。いやいろんな有名武将に会えてめっちゃ興奮するだろうしストーリーが面白い。この発想は思いつかない!偶然にも田家の一族の人に賊から助けてもらう。主人公の苗字が田中だから、遠縁の親族と勘違いされそのままお屋敷に。続きが気になります!
【あらすじ】 類いまれな英雄・劉邦を描くエンタメ史劇! 武勇、才気なくして農民から皇帝まで 一気に駆け上がった英雄・劉邦。 その類いまれな漢(オトコ)の魅力を、 『土竜の唄』の作者が渾身の力で描く とびっきりのエンタメ史劇です!! ー・S・T・O・R・Y・− 時は紀元前、中国全土を統一した秦の 始皇帝統治下の都で一人の男が 労役で働いていた。 男の名前は劉季(のちの劉邦) ある日、男は秦兵に捕まり、 中華の極刑、炮烙(ほうらく)の刑に 処せられる事になる。 男の運命、そして中華の歴史は その時を境に大きく変わり始めた!!
【作品情報】 作者は『土竜の唄』『シスターまりん』の高橋のぼる。2017年小学館「ビッグコミック」に連載され、2023年に全15巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 『土竜の唄』の作者としても有名な高橋のぼる先生の作品です。中国史で有名な劉邦についてとっても読みやすく描かれています。こんな風にして中国が変わってきたんだ、と楽しく中国史を学ぶことができました。世界史を勉強中の学生さんにはもちろん、歴史系を敬遠してきた方たちにもオススメの読みやすさです!
【あらすじ】 むかしむかしの中国―――。荊州の大豪族・黄承彦は、変わり者で有名な書生・諸葛孔明を気に入ってしまい娘・月英の婿に決めてくる。しかし月英にその気はまったくなく、これまでも婿候補は全滅……。さあ、どうなるっ!?杜康版・新感覚三国志4コマ!!
【作品情報】 作者は『坊主DAYS』『江河のごとく孫子物語』『梨花の下で李白・杜甫物語』の杜康潤。2011年より芳文社「まんがホーム」で連載され、2024年6月時点で16巻まで配信中です。
【おすすめするポイント】 ラフなタッチのイラストにコメディなストーリとなっているけれど、当時の政治・社会・経済情勢の描写はかなり詳細に描かれており、杜康潤先生自身の膨大な現地取材、資料参考が基になっています。笑いながら歴史の勉強にもなる!三国志に登場する諸葛孔明とその妻・黄月英の新婚生活をコミカルに描くストーリーです。
【あらすじ】 男は“覇望”を求め大陸ヘ――嵐のように激しく、宇宙のように壮大な戦国浪漫が、東方の国・邪馬台国から始まる!二大巨匠が創造する『新・三国志』登場!!
【作品情報】 原作は『北斗の拳』『HEAT-灼熱-』の武論尊。漫画は『トリリオンゲーム』『サンクチュアリ』『Crying(クライング)フリーマン』の池上遼一。2004年より小学館「ビッグコミックスペリオール」にて連載され、2011年に全22巻で完結。続編『SOUL覇第2章』は2011年から連載され、全3巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 これぞ圧倒的な三国志!原作・武論尊、作画・池上遼一の『HEAT-灼熱-』などを世に送り出したタッグによる、さまざまな超展開を盛り込んだ大スケール作。卑弥呼の倭統一に貢献した奴国の勇将・燎宇は後漢の覇を握ることを決意し、そこで劉備、関羽、張飛の三兄弟に出会います。しかし、義勇軍を用いて略奪暴行も辞さない極悪なやくざ者・劉備を殺してしまいます。燎宇の行動、思考を目の当たりにした関羽、張飛はなんと燎宇を新たな劉備として仕立て上げることに……。そして、関羽、張飛と義兄弟の契りを結んで混迷する中国大陸の制覇に挑むという内容が、三国志界隈で話題になった傑作です。さまざまな三国志作品があるからこそ読んでいただきたい一作。さらに超展開となる続編の『SOUL覇第2章』も併せてどうぞ!!
日本や中国と比べて、絢爛豪華に見える中世・近世のヨーロッパ。しかし、その裏には神の掟に人々がんじがらめになった一面もあったようです。そんな社会での闘いや恋愛、日常生活を描く西洋を舞台にした歴史漫画14作です。
【あらすじ】 15世紀のヨーロッパにあるP王国。「世界はすべて神が作った」というC教の教えが浸透し、それに背く者は、拷問や火あぶりに処された。12歳で大学に入り、そのまま行けばエリートコース間違いなしの神童ラファウは、学者フルベルトとの出会いで、地球が太陽のまわりを動いているという「地動説」に魅せられる。しかし、それは死刑に値する危険な学問だった。やがて、地動説を研究していたことが発覚したフルベルトは火あぶりに。フベルトが残した研究資料を基に、ラファウは人知れず地動説の研究を続けていくが……。
【作品情報】 作者は『ひゃくえむ。』『ようこそ!FACT(東京S区第二支部へ)』の魚豊。小学館「ビッグコミックスピリッツ」に2020年から連載され、2022年に全8巻で完結しています。2024年にはテレビアニメ化されました。2022年第26回手塚治虫文化賞マンガ大賞、2023年第54回星雲賞コミック部門を受賞しています。
【おすすめするポイント】 「人は命を懸けてでも、真実を追究できるか?」をテーマに、当時絶対だった教義に背いて信念を貫く者たちを、主人公がバトンタッチしながら、描かれていきます。本当は間違っていることでも、大多数が信じ切っているものに「NO」を宣言するのは勇気がいること。何が真実かを見抜くこともできず、何も疑問も持たず、常識として鵜呑みにする人もいるでしょう。現代社会を生きる私たちも果たしてラファウのように生きられるのか?現代人に生きる姿勢を問う問題作です。
【あらすじ】 16世紀初頭・フィレンツェ。芸術などの文化活動が花開いたルネサンス発祥の地。そんな活気あふれる華やかなる時代に、貴族生まれのアルテが画家工房への弟子入りを志願する。女性が一人で生きて行くことに理解のなかった時代、さまざまな困難がアルテを待ち受ける。
【作品情報】 作者は大久保圭で初の連載漫画です。コアミックス「月刊コミックゼノン」に2013年から連載され、2024年4月時点で19巻が配信されています。2020年にはテレビアニメ化されました。
【おすすめするポイント】 以前は鳴海圭名義で活動していた大久保圭の作品。16世紀初頭のルネサンス期を舞台にした、絵を描くことが得意な女の子・アルテの話です。この時代は男尊女卑が激しく、アルテは女という理由で苦労し奮闘します。アルテが明るく前向きな女の子なので、読み手のこちらも元気をもらえ、応援したくなります!
【あらすじ】 舞台は紀元前。奴隷の身分にありながら、豊かな教養と観察眼、判断力、そしてそれらを駆使して行動を起こす度胸を兼ね備えた、不思議な青年・エウメネスがいた。あの偉大なる哲学者・アリストテレスの逃亡を助けたりしながら、彼が目指していたのは、「故郷」と呼ぶカルディアの街……。のちにアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの、波乱に満ちた生涯を描いた歴史大作が登場!
【作品情報】 作者は『寄生獣』『レイリ』『七夕の国』の岩明均。2003年から講談社「月刊アフタヌーン」に連載され、2024年6月時点12巻が配信中です。第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第16回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しています。
【おすすめするポイント】 アニメ化と実写映画化で話題になった『寄生獣』の岩明均が放つ、古代ギリシア史巨編!主人公はのちにアレキサンダー大王の書記官として重用されるエウメネス。彼の数奇な人生を、その少年時代から深く掘り下げて描きます。古代ギリシア史といえば覚えにくいカタカナの名前や文化の相違でとっつきにくいジャンルの代表格ですよね。しかしそこを親しみやすくしているのがエウメネスの風来坊的なキャラクターです。未知の文化を新鮮な感覚で受け入れ、あまつさえ改良すら加え取り込んでいく彼のスタンスが素晴らしい。教養・胆力・腕っ節のすべてを揃えた不思議な少年の青春物語としても楽しめるので、岩明作品の主人公たちが好きな方にはオススメです。
【あらすじ】 千年期の終わり頃、あらゆる地に現れ暴虐の限りを尽くした最強の民族、ヴァイキング。そのなかにあってなお、最強と謳われた伝説の戦士が息子を一人授かった。トルフィンと名づけられた彼は、幼くして戦場を生き場所とし、血煙の彼方に幻の大陸“ヴィンランド”を目指す!!『プラネテス』の幸村誠が描く最強民族(ヴァイキング)叙事詩、堂々登場!
【作品情報】 作者は『プラネテス』の幸村誠。2005年講談社「週刊少年マガジン」に連載され、2005年12月号から「月刊アフタヌーン」に移籍、2024年6月時点で28巻まで配信中です。テレビアニメは2019年は2シーズンに渡って放送されました。
【おすすめするポイント】 中世ヨーロッパ、略奪や侵略で人々から恐れられた集団がいました。ヴァイキングと呼ばれたその集団のアシェラッド兵団の中に、一人の青年がいました。彼の名前はトルフィン。トルフィンは父親の仇を討つために復讐の機会をうかがっているのでした。トルフィンは父親の仇を討つことができるのでしょうか?とにかく戦闘がかっこいい!ちょっと残酷なシーンもありますが、それさえも見入ってしまうくらい圧倒的な画力。絶対はまりますよ。オススメです。作者は幸村誠で、代表作は『プラネテス』。本作品は月刊誌「アフタヌーン」で大好評連載中です。
【あらすじ】 すべての“風呂”は、“ローマ”に通ず。「マンガ大賞2010」と「第14回手塚治虫文化賞短編賞」をW受賞、実写映画(主演:阿部寛)も記録的な大ヒットとなった超ベストセラー・爆笑コミック!紀元前128年、第14代皇帝ハドリアヌスが統治し、かつてない活気に溢れているローマ。すべてに斬新さが求められるこの時代、古き良き浴場を愛する設計技師のルシウス・モデストゥスは、生真面目すぎる性格が時代の変化に合わず、職を失ってしまう。落ち込むルシウスは友人に誘われた公衆浴場から、突然現代日本の銭湯にタイムスリップしてしまい……!?
【作品情報】 作者は『プリニウス』『オリンピア・キュクロス』のヤマザキマリ。エンターブレイン「コミックビーム」に2008年から連載され、2013年に全6巻で完結しています。2012年と2022年に2度アニメ化されました。2012年、2024年の阿部寛主演の実写映画2部作も大ヒットしています。2024年から集英社「少年ジャンプ+」にて『続テルマエ・ロマエ』が連載開始、2024年4月時点で1巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 アニメや実写映画にもなったヤマザキマリ先生の作品です。実写映画版は大好評で2も公開されたほどです。古代ローマ人が現代の日本にタイムスリップし風呂文化にカルチャーショックを受けつつ技術を学ぶという物語です。私も映画を観に行きましたが発想や着眼点が面白い作品です。漫画も映画も見てほしいです。
【あらすじ】 18世紀、「自由と平等」を望み、現代社会の出発点となったフランス革命。その闇に生きたもう一人の主人公シャルル-アンリ・サンソン。彼は、パリで死刑執行人を務めるサンソン家四代目の当主。その過酷な運命に気高く立ち向かった“純真”を描く、歴史大河の開幕──!!
【作品情報】 作者は『にらぎ鬼王丸』『孤高の人』の坂本眞一。安達正勝著『死刑執行人サンソン』(集英社新書)が出典です。集英社「週刊ヤングジャンプ」に2013年から連載され、2015年に全9巻で完結しています。続編『イノサンRouge』は2015年から「グランドジャンプ」に連載され、2020年に全12巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 18世紀フランスで、自由と平等を望み、現代社会の出発点となった革命が起きました。処刑されたのは、国王ルイ16世、王妃マリーアントワネットら。そしてその処刑人を担ったシャルル-アンリ・サンソンに焦点をあてた作品です。代々、処刑人として生きてきたサンソン家に長男として生まれた男、シャルル。我が一族は罪を罰する正義…本当にそうなのか?ならばなぜ、人々に「死神」と恐れられ、忌み嫌われるのか。己の過酷な運命に気高く立ち向かった彼の生き方に、胸がしめつけられます。処刑人という新たな視点からのストーリーをお楽しみください。著者の作品は他に「益荒王」「孤高の人」などがあります。
【あらすじ】 類を見ない大ブームを巻き起こし、今なお世界中の人々を魅了してやまない不朽の名作!!フランス宮廷―そこは世界一華やかで贅沢さを競い合う貴族たちの憩いの場。時は18世紀、若き皇太子妃として、マリー・アントワネットが嫁いでくる。皇太子夫妻を護衛するのは、男装の麗人・オスカルで……。華麗な登場人物に導かれながら、ベルサイユを舞台にした情感あふれるストーリー展開にあなたも夢中になるはず!!身分を超え求め合う「愛」、どんな逆境にもくじけない「愛」をご堪能ください!!
【作品情報】 作者は『オルフェウスの窓』『聖徳太子』『天の涯まで~ポーランド秘史』の池田理代子。1972年から集英社「マーガレット」に連載され、1973年に全10巻で完結しています。番外編として『ベルサイユのばら外伝~黒衣の伯爵夫人』が刊行されています。宝塚歌劇団の代表的作品としても有名です。1979年にはテレビアニメ化、『シェルブールの雨傘』で知られるジャック・ドゥミ監督によって映画化されています。
【おすすめするポイント】 池田理代子先生による不朽の名作です。18世紀フランス。貴族の令嬢でありながら男装の麗人でもある軍人のオスカルと、フランス王妃・マリーアントワネットを中心に繰り広げられる激動の時代の物語です。ベルサイユを舞台にした華やかな恋や、人間模様。後に起こるフランス革命に至るまでのパリの貧しい様子。身分違いの恋や葛藤など、完璧に練り上げられたストーリーが圧倒的です。宝塚歌劇団による舞台化やアニメ化も手伝って、社会現象にまでなった作品です。
【あらすじ】 レーゲンスブルク、ドイツ最古の司教都市。400年以上続く由緒ある男子校の音楽学校には、“オルフェウスの窓”と呼ばれる場所があった。そして、その窓には悲劇的な恋をもたらすという伝説があった……。運命の窓でユリウスは、イザークとクラウスに出会う。華麗なる青春と歴史の感動巨編。
【作品情報】 作者は『ベルサイユのばら』『天の涯まで~ポーランド秘史』『聖徳太子』の池田理代子。1975年から集英社「週刊マーガレット」、1977年からは『月刊セブンティーン』に連載され、1981年に全18巻で完結しています。番外編として『オルフェウスの窓コラージュ』、『オルフェウスの窓外伝』が刊行されています。
【おすすめするポイント】 『ベルサイユのばら』の作者・池田理代子先生のヨーロッパを舞台とした名作です。ドイツの名門男子音楽学校には悲恋をもたらすという「オルフェウスの窓」があります。そこで出会った、ユリウス、イザーク、クラウスの三人の運命を軸とした壮大な物語です。イザークは、ピアノの才能により奨学金生として入学してきました。同級生からは貧しさや嫉妬からいやがらせもされますが、入学早々知り合ったユリウスはいつも彼の味方です。しかし、美しく溌剌としたユリウスにも、実は大きな秘密があり……。家庭や学校での複雑な人間模様や緊張感が話を盛り上げます。重厚ななかに、キラキラした青春の眩しさも織り込まれ、大変読み応えのある作品です。若者たちがこれから巻き込まれる大きな歴史の渦の中で、それぞれに葛藤し、必死に生きる姿が感動的です。読んで絶対損はありません。第9回日本漫画家協会賞優秀賞です。
【あらすじ】 15世紀のイタリア、ルネッサンス時代。現代政治学の祖・マキァヴェッリに「理想の君主」と謳われながら、歴史の闇に葬られた英雄・チェーザレ・ボルジア。争いに向かおうとする不穏な時代に、全ヨーロッパ統一という野望を抱いた男の戦いの物語。
【作品情報】 作者は『3(THREE)』『ボーイフレンド』『MARS』の惣領冬実。講談社「モーニング」で2005年から連載され、2021年に全13巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 中世イタリアに実在した人物、チェーザレ・ボルジアがモデルの作品です。イタリアのピサのサピエンツァ大学に入学したアンジェロ・ダ・カノッサ。アンジェロはジョヴァンニの率いるフィオレンティーナ団に入りますが、失敗してしまいジョヴァンニを怒らせてしまいます。そのせいで暴れ馬に乗せられたアンジェロは崖から落ちそうになり、ある人に助けられるのですが……。その人物こそチェーザレ・ボルジア。中世時代の織田信長のような人物で、物語に惹きこまるポイントでもあります。わかりやすいので歴史の勉強にもなります(笑)。
【あらすじ】 貴族ウィリアム・ジョーンズはかつての家庭教師、ケリー・ストウナーを久方ぶりに訪ねた。そこで眼鏡をかけた聡明なメイド、エマと出会い、徐々にふたりは惹かれ合う……ヴィクトリア朝の英国ロンドンを舞台に、伝統と革新のブリティッシュロマンスが始まる!
【作品情報】 『シャーリー』『乙嫁語り』の森薫のデビュー作で、2002年にエンターブレイン「コミックビーム」にて連載開始。番外編を含めて全10巻が配信中です。テレビアニメは2005年と2007年に『英國戀物語エマ』のタイトルで2シーズン放送されています。
【おすすめするポイント】 舞台はヴィクトリア朝のロンドン。聡明なメイド、エマと貴族のウィリアムが出会うところから物語が始まります。その時代独特の雰囲気や、馬車や煉瓦の道、夫人のドレスやお屋敷の暖炉など、この頃の西洋文化などが非常によく描かれていて、思わず目を奪われてしまいます。世界史好きにもぜひおすすめしたいですね。そんな世界観の中で展開されていく、二人のロマンス、本当に素敵です。果たして、二人の身分違いの恋の行方は……?『シャーリー』や『乙嫁語り』の作者である森薫が贈る、アニメ化も果たしたラブストーリー!
【あらすじ】 「一言で言えば、ここに書かれているのはあの戦争ではない」……500人以上の従軍女性を取材し、その内容から出版を拒否され続けた、ノーベル文学賞受賞作家の主著。『狼と香辛料』小梅けいとによるコミカライズ。
【作品情報】 原作はノーベル文学賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの主著。コミカライズは『狼と香辛料』『くじびきアンバランス』の小梅けいと。2019年KADOKAWA「ComicWalker」から連載され、2024年8月時点で5巻が配信されています。
【おすすめするポイント】 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ先生の戦争を舞台にした悲しいお話でした。いろいろな方面から描かれていましたが、ワーリャ含める洗濯隊が一番印象に残りました。昔は洗濯機などがないのですべて手洗いは当たり前。小梅けいと先生の描く爪がはがれているシーンに涙が出てしまいました。
【あらすじ】 琉花は化粧品の開発部に勤めるアラサー女子。恋愛には奥手ながらも仕事では成功を収め、周囲にも認められつつあった。そんなとき、海外ブランドとの大きな事業契約の話が持ち上がる。仕事を認められた興奮とともに訪れたフランスの地で、琉花は奇妙な場所に迷い込んでしまった。行きついたその扉の向こうはなんと18世紀、ブルボン王朝時代のフランス――! 恋と美の華やかなりし18世紀パリで、琉花が出会ったのは自称天才髪結い師、レオナール・オーティエ。美の革命期にあった当時のフランスで、琉花はその知力と技術を用いて奮闘する! 激動の世をどう生き抜くか!?理系女子のタイムスリップ浪漫!!
【作品情報】 原案・監修は『隠されていた不都合な世界史あの英雄、あの帝国の暴露されたくない真実』『本当は怖い日本史勝敗と、策略と、欲望と、裏切りと―』の堀江宏樹。漫画は『2週目高校生の復讐日記』『能楽師探偵月城奏人の心得』のみやのはる。2020年カドコミに連載され、2023年全5巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 漫画のみやのはる先生と、原案・監修の堀江宏樹先生が送るタイムスリップ浪漫です。アラサー女子の琉花は、化粧品の開発部にて成功を収め、周囲からの評価も上々です。海外ブランドとの大きな事業契約の仕事でパリに渡った琉花はなんと18世紀にタイムスリップ!危ないところを救ってくれた自称天才髪結い師、レオナール・オーティエと共に現代の化粧技術で人々を笑顔にしていきます。ルイ15世の治世・ブルボン王朝の華やかなフランスで繰り広げられる物語。化粧に絡めて令嬢の結婚話や殺人事件と、スピーディーで読んでいて飽きません。この先の二人の活躍が大変気になります!
【あらすじ】 どうしても、この男が描きたかった!世界史上もっとも著名な博物学者にして、ローマ艦隊の司令長官。古代ローマ一の知識人にして、風呂好きの愛すべき変人。その男の名はプリニウス――。『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリが、最強のパートナー“とり・みき”を迎えて、ふたたび魅惑の古代ローマ世界に挑む。圧倒的な構成と迫真の画力で2000年前の世界を描く、歴史伝奇ロマンの決定版、ここに誕生!
【作品情報】 作者は『テルマエ・ロマエ』『ジャコモ・フォスカリ』のヤマザキマリと『トマソンの罠』『山の音』のとり・みき。新潮社「新潮45」にて2014年から連載され、2019年から「新潮」に移籍、2023年に12巻で完結しています。2024年に第28回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しています。
【おすすめするポイント】 紀元60年頃、ローマ帝国シチリア属州総督代行の職にあったプリニウス。彼は博学にして豪快、奔放な行動力で「博物誌」を編纂した偉人で、大の風呂好き♪そして変人……。皇帝ネロとの濃い人間模様が描かれています!『テルマエ・ロマエ』の作者ヤマザキマリ先生と、とり・みき先生の合作による歴史マンガ!
【あらすじ】 現代から約3500年前、古代エジプト。男性が王座につくことが当たり前だった時代に、女ファラオとして国を治めたハトシェプストという人物がいた。“男装の女王”と謳われるほど、強く気高く生きた彼女の激動の生涯、その幕が、いま上がる!新鋭・犬童千絵が鮮やかに描き出す、古代エジプトの風景とそこに暮らす人々、そして自ら運命を切りひらいた一人の女性。漫画誌「ハルタ」で連載されたヒストリカル・ロマン!
【作品情報】 作者は『アルテミスの爪紅』『三鬼本家の食卓』『青とグランドワーカー』の犬童千絵。2014年からKADOKAWA「ハルタ」に2014年に連載され、2021年に全9巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 犬童千絵先生作の古代エジプトロマンです。実在の、エジプト第18王朝の王妃およびファラオであるハトシェプストの半生を描いたものです。王位継承権を持つシェプスト王女は、父の側室が産んだ異母兄セティ王子と結婚します。しかし、それは父トトメス1世の希望で、彼女はセティ王子を夫とは認めていませんでした。聡明で優しく武芸に秀でて、こんな格好いい王女様が古代エジプトにいたのかと感動します。絵も美しく、当時のエジプトの描写も素晴らしいです。女性はファラオに即位できなかった時代に、彼女はどうファラオとなっていくのでしょうか。