誰にでも、大なり小なり特大なり過ちは犯しているもの。それをどれだけ重く受け止めて反省しているかはひとそれぞれだ。巷でも「伊達直人」と名乗り施しをしている人もいるし、逆に重罪を犯しても尚、その民事賠償責任から時効10年を逃げ切ろうとする者もい
る。十字架の重さは均等ではない。被害者の立場からすれば犯罪に巻き込まれたことが不幸なのであって、それは何に変えても報われはしない。そういう観点からみればサムの苦悩は当然のことといえる。そういう者にとって世間は甘くはない。サムにとっては失いたくない最も身近な存在がブリアだ。それこそこの事実は墓場まで持っていきたかったはずだ。物語の最後まで延ばしに延ばした理由が分かる。この物語は記憶を失うことでブリアとの修復の時間を与えて復縁するというもの。芽生えた感情だけで結婚生活が長続きするものではない。話し合い、話し合い、そして話し合う。その時間の多さと質が「愛」と「信頼」を生み「絆」となることを教えてくれたのではないだろうか。
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