正直、この作品が出版された当時にこの小説を読んで「今までの伊坂らしくない」と思ったのが正直なところありました。
この作品以降、特に「魔王」だとかも「今までの伊坂さんらしくない」と思い、余り読まなくなってました。
勧善懲悪じゃないところだ
とか、痛快ではあるけれど、なんだか釈然としない。伊坂さん、どうしちゃったの?と当時思っていたのですが、11年ぶりに読み返してみて、漸く合点が行き、理解できました。
伊坂さんは恐らく陰謀論や都市伝説が好きなんだろうなと言うことだったり、伊坂さんが生きてきて経験してきたことをこの作品で活かしているなとまず思いました。全身全霊でこの作品を書いたんだなと今ではハッキリと分かります。
何よりも11年前の作品とはとても思えない、今の日本の状況と酷似している世界観を書いたところが流石作家のセンスと言うべきか、先を見る目がある作家であると改めて認識しました。
あくまでフィクションの世界だけど、本当にフィクションの世界だから!の一言で、現実には起きないと言い切ることができるのか?と思います。
映画も公開されていますが、どっちを先に見てもどちらでも面白いんじゃないかな。寧ろ映画で??なところが小説を読んでハッキリするんではないかと思いますので、映画で釈然としない点があった方には是非この原作を読んで貰いたい。
長くなってしまいましたが、本当に面白い、感動してしまう「よくできました」な小説です。
陰謀論や都市伝説好きな方にもオススメしたい作品です。笑
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