検事は何を信じ、何を誤ったのか――。ある事件をめぐりベテランと若手が対立。その裏に隠された真実とは。慟哭の長篇ミステリー登場!
東京地検のベテラン検事・最上と同じ刑事部に、教官時代の教え子、沖野が配属されてきた。ある日、大田区で老夫婦刺殺事件が起きる。捜査に立ち会った最上は、一人の容疑者の名前に気づいた。すでに時効となった殺人事件の重要参考人と当時目されていた人物だった。最上は、男が今回の事件の犯人であるならば今度こそ法の裁きを受けさせると決意するが、沖野が捜査に疑問を持ちはじめる――。正義とはこんなにいびつで、こんなに訳のわからないものなのか。息を呑む展開、慟哭のラスト! 待ちに待った雫井ミステリー最高傑作、誕生。