極秘かつ前代未聞の求人情報――
それは、“大富豪との愛なき結婚”
弟の学費を工面できずに苦悩していたオードリーは、
仕事の休憩中に上級秘書たちの会話を偶然耳にして唖然とした。
若くして巨万の富を築き上げたヴィンチェンツォ・トマジ――
エキゾチックな黒髪、地中海のように美しい青色の瞳、
そして映画スターのように見事な体躯を持つ完全無欠のCEOが、
義理の子供のため、母親役を務める女性を雇おうとしているなんて。
ずっと秘かに憧れていた彼の元で、幼い子供たちの世話をする……
それで弟が進学できるのなら、もう私が欲しいものなど何もないわ。
ところが面接に臨んだオードリーに、ヴィンチェンツォは言った。
「母親だけじゃない。僕の妻を演じるのも仕事だ――昼夜を問わずね」■人気作家ルーシー・モンローよる、極上のクリスマス・ロマンスをお届けいたします。