沙野先生のお話はいくつか読んでいますが、こちらの西洋ファンタジーの作風が一番文体と世界観に合っていました。現代モノも好きなんですが、設定や展開が風変わりなので、時々無理があるように感じることがあったんですよね。それがゴリゴリのファンタジーだ
と違和感がなく、非常にしっくりくる気がしました。ストーリーは捻りが効いていて、恋愛面も心情が丁寧に描かれ、満足できる読後感でした。今まで読んだ先生のお話の中で一番短いのに、一番納得感のある作品で、言葉や表現ひとつ取っても完成度が高い作品だと思います。収まるところにすべて収まり、主人公が幸せになれて本当に良かったです。
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