貧しい村の出の少年僧イーシェは、口減らしのために僧となる。その姿が、以前テレビでみた、チベットの少年僧の姿と重なりました。その子も、道なき道を通って、お休みの日にお母さんの待つ家に帰って行ってました。お寺で、仲間や師匠の前では神妙な顔で修行
してたのに、お母さんに会ったら、甘えてたのがすごく印象に残ってました。
閑話休題。イーシェが村に向かうと、盗賊に襲われ父母の姿は見えず、寺に戻ると、老師の姿もなく、見知らぬ男がいた。そのユトーが村を襲った盗賊かと思ったが、行く宛のないイーシェが町へと向かうのを助けてくれる。何事もなかったら、生まれ育った村とその近くの寺で一生を終えただろうイーシェは、旅を続けていくうちに、自分の生き方に疑問を持ち、ユトーに惹かれていく。
イーシェやユトーの行動が、裏目裏目に出ていくように見えて、最後には、そうなるように定められていたように大団円を迎えたとき、作者さんの緻密なストーリテリングの素晴らしさに感嘆しました。
もっとみる▼