本編完結の時は凄く寂しくて、アフターストーリーの存在に復調して、今回の短編に歓喜しています。内容もサラッと本編の惰性のような感じではなく、練り込まれていて、何なら本編以上の盛り返しがあって、楽しくビッグウェーブに乗せてもらいました。今回の森
住は、貴志の気持ちを見失いかけて、自分の立ち位置までも分からなくなっていたような時があります。「相手にとって自分はどういう存在なのか。」を考え出すと、大抵ドツボにハマると思いますが、そこから救ってくれたのが貴志本人ではなくホテル支配人の言葉だったというのが、粋な演出でした。こういう時って、本人がどんなに真剣に想いを込めて語っても、何%かしか相手には伝わらないと思います。でもそれを第三者が話す事で、言葉以上の重みを持って伝わるんですよね。腑に落ちるというか、ストンと収まるのでしょうね。貴志の(側から見たらちょっとショックな)過去も、森住の貴志に対する気持ちの再確認になって、二人の絆が強まる…素敵なお話でした。
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