時代はよくわからないが、騎士がでてきて、王政だったり、皇帝だったり、貴族の階級がいろいろでてきたり・・という小説には、必要なのか? と思うような、クーデターや王位奪還、簒奪、腹黒い宰相、賢王、愚王、優秀な王妃に、悪辣な王妃 など、これでもか
と出てくるな と思っていました。そして、正統後継者がじつは、ヒーローだった・・とか。
でもこの作品は、背後にいろいろありますが、それは試練として必要だったのだと納得できる筋立てなので、まったく呆れることなく、引き込まれ、じんわりとしみじみできました。出会いのときはそれほどでもなかった二人が、生死を乗り越えて、本当に結ばれ、まだまだ儚い感じもありますが、幸せへとつづきそうな最終シーンは、この作家さんならではの見事さだと思いました。
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