仇敵との結婚は、家族を救うため?いいえ、心に嘘はつけない。
リンナはギリシア富豪アサン・アカキオスに依頼され、彼の別荘で結婚式の料理を担当することになった。じつはリンナはアカキオス父子を憎んでいた。彼女の父親を辱め、破滅させたからだ。それでも料理は彼女の人生そのもの。拒む理由はなかった。ところが式の直前、アサンは花嫁を彼の父に奪われてしまう。リンナはそのとき初めて、この結婚が契約結婚で、以前から父子が反目し合っていたと知った。そしてアサンから、驚くべき提案を告げられた。「代わりにきみが花嫁になればいい」彼女の家族の汚名をそそぎ、借金も肩代わりするからといって。私が悪魔の花嫁に? なぜかリンナの胸は密かにときめいて……。
■幼いころは家族ぐるみの付き合いもあったヒーローとヒロイン。互いに抱いていた淡い恋心も、いつしか運命の荒波に翻弄され、思わぬ展開に。2023年に日本デビューを果たしたロレイン・ホール。愛らしいヒロイン像と圧倒的筆力で要注目の作家です!