サフィーナは胸に醜い痣を持って生まれた。母はサフィーナを恐れ自ら命を絶ってしまい、それがためサフィーナは物心つく前から「人を不幸にする呪われ令嬢」と囁かれることになる。実の父と義母、義妹から虐げられ、使用人同然の生活を送っていたサフィーナは、18歳になると父に命じられるまま「死神伯爵」と呼ばれるガルシア・ランフォーネ伯爵のもとへ嫁ぐことに。しかし屋敷に着いたサフィーナは歓迎されるどころかガルシア本人から「帰れ」と拒絶されてしまう。困惑するサフィーナに、ガルシアは黒革の手袋を外し美しい手を差し出す。聞けばガルシアには手に触れたものの命を奪う呪いがかけられており、それがため「死神伯爵」として恐れられているという。「こんな呪われた男と本当に結婚できるか?」 サフィーナは小さく震える手でガルシアの手に触れた。こうしてサフィーナは自身の呪いを隠したまま、死神伯爵と共に生活をすることとなったのだが……。