実名を書かれた研究員を調べる委員長ですが、聴取を七回まで開いたら、研究員が十二年、二十時四十分に同じ一行を書いています(海堂すみれ )の注意事項

巻(見開き形式)について

漫画(まんが)・電子書籍のコミックシーモアTOPTL(ティーンズラブ)TL小説Realize出版C-Trap ROMANCE実名を書かれた研究員を調べる委員長ですが、聴取を七回まで開いたら、研究員が十二年、二十時四十分に同じ一行を書いています実名を書かれた研究員を調べる委員長ですが、聴取を七回まで開いたら、研究員が十二年、二十時四十分に同じ一行を書いています
無料会員登録で【70%OFFクーポン&最大100%pt還元】

実名を書かれた研究員を調べる委員長ですが、聴取を七回まで開いたら、研究員が十二年、二十時四十分に同じ一行を書いています 発売予定

830pt/913円(税込)

8/14(金)発売予定

※発売予定日の変更や発売の取りやめ、価格等は予告なく変更になる場合があります。

発売開始と同時に購入するには新刊自動購入が便利です。

新刊自動購入とは?

作品内容

【この作品は生成AIを使用しています】

調査規程第七条にもとづき、本日付で、生命科学研究科・相馬柊史研究員の研究活動に関する本調査の開始を通告します。鶴見冴子は通告書の文面から目を上げずに読み終えてから、机の向こうに座った男の顔を見た。空調の風で持ち上がる紙の端を、左手の指を二本置いて押さえている。
鶴見冴子、三十八。二十五でこの席に就いて十三年、研究公正調査委員会の委員長を務めている。この部屋でいちばん強い権限を持っているのは自分で、いちばん失うものが多いのは目の前の男だ。
相馬柊史、三十四。翌週の週刊誌に、捏造の常習という語といっしょに実名が出る。学外へは異動できない。公募にも出せない。共同研究の分担金も止まる。廊下ですれ違った四人は、誰も挨拶を返さなかった。
実験ノートの提出を拒まれたその夜、冴子は共用の点検簿を開く。摂氏三十七・〇、変化なし。二十時四十分。同じ一行が十二年ぶん、一日も抜けずに並んでいた。しかも月の最初の晩にだけ、そのうしろに意味の分からない括弧がつく。四千七百を超える行のうち、括弧のつく行は百四十四しかない。
冴子は毎朝、点検簿の一枚を複写して自分の机に置かせる。三か月半で百五枚。一日も欠かさなかった。自分がなぜそうしているのかを、この人は委員会でも説明できない。
その恒温槽は、いま誰も使っていない。使っていないものの温度を、十三年、誰かが毎晩測りつづけている。
入退館の記録は機械が打刻する。三十二分だけ建物にいた人間が一人いて、その名は相馬ではない。
七月十六日の余白に、算用数字と、単位の位置と、筆圧の三つが違う一行が見つかる。中間の判断は本人による改変。相馬は処分を争わないと言い、代わりに、試薬の保管庫をいますぐ見ろと迫る。委員会に出された束と保管庫の束が食い違い、受払簿の一枚が破り取られている。
あなたを、私の管轄の中に置いておきたい。冴子はそう言ってしまう。規程では、聴取は三回だ。
聴取は四回目を過ぎ、五回目を過ぎ、七回まで開かれる。規程の三回を超えた四回ぶんの理由を、冴子はどの議事録にも書いていない。
十一月三日の雨の夜から、十二月九日まで。四つ目は、誰に教わりましたか。その一問で全部が動きます。TL長編小説・全10章完結。

お得なラノベ・小説・実用書クーポン!
詳細  
簡単
1巻から|最新刊から

作品ラインナップ 

  • 実名を書かれた研究員を調べる委員長ですが、聴取を七回まで開いたら、研究員が十二年、二十時四十分に同じ一行を書いています
    8/14(金)発売予定

    登録すると発売日に自動購入できます

    830pt/913円(税込)

    調査規程第七条にもとづき、本日付で、生命科学研究科・相馬柊史研究員の研究活動に関する本調査の開始を通告します。鶴見冴子は通告書の文面から目を上げずに読み終えてから、机の向こうに座った男の顔を見た。空調の風で持ち上がる紙の端を、左手の指を二本置いて押さえている。
    鶴見冴子、三十八。二十五でこの席に就いて十三年、研究公正調査委員会の委員長を務めている。この部屋でいちばん強い権限を持っているのは自分で、いちばん失うものが多いのは目の前の男だ。
    相馬柊史、三十四。翌週の週刊誌に、捏造の常習という語といっしょに実名が出る。学外へは異動できない。公募にも出せない。共同研究の分担金も止まる。廊下ですれ違った四人は、誰も挨拶を返さなかった。
    実験ノートの提出を拒まれたその夜、冴子は共用の点検簿を開く。摂氏三十七・〇、変化なし。二十時四十分。同じ一行が十二年ぶん、一日も抜けずに並んでいた。しかも月の最初の晩にだけ、そのうしろに意味の分からない括弧がつく。四千七百を超える行のうち、括弧のつく行は百四十四しかない。
    冴子は毎朝、点検簿の一枚を複写して自分の机に置かせる。三か月半で百五枚。一日も欠かさなかった。自分がなぜそうしているのかを、この人は委員会でも説明できない。
    その恒温槽は、いま誰も使っていない。使っていないものの温度を、十三年、誰かが毎晩測りつづけている。
    入退館の記録は機械が打刻する。三十二分だけ建物にいた人間が一人いて、その名は相馬ではない。
    七月十六日の余白に、算用数字と、単位の位置と、筆圧の三つが違う一行が見つかる。中間の判断は本人による改変。相馬は処分を争わないと言い、代わりに、試薬の保管庫をいますぐ見ろと迫る。委員会に出された束と保管庫の束が食い違い、受払簿の一枚が破り取られている。
    あなたを、私の管轄の中に置いておきたい。冴子はそう言ってしまう。規程では、聴取は三回だ。
    聴取は四回目を過ぎ、五回目を過ぎ、七回まで開かれる。規程の三回を超えた四回ぶんの理由を、冴子はどの議事録にも書いていない。
    十一月三日の雨の夜から、十二月九日まで。四つ目は、誰に教わりましたか。その一問で全部が動きます。TL長編小説・全10章完結。

レビュー

実名を書かれた研究員を調べる委員長ですが、聴取を七回まで開いたら、研究員が十二年、二十時四十分に同じ一行を書いていますのレビュー

この作品はまだレビューがありません。

この作品を読んだ人はこんな作品も読んでいます

 

Loading

 

 
 

 

Loading

 

 
 

 

Loading

 

 
 

 

Loading

 

 
 

 

Loading

 

 
 

お得情報をGET!登録してね

▲ページTOPへ