弟子をやめられた山の案内人ですが、五年、縄を繕いつづけたら、その男が月の初めの三日のうちに必ず封筒を持ってこられます(海堂すみれ )の注意事項

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漫画(まんが)・電子書籍のコミックシーモアTOPTL(ティーンズラブ)TL小説Realize出版C-Trap ROMANCE弟子をやめられた山の案内人ですが、五年、縄を繕いつづけたら、その男が月の初めの三日のうちに必ず封筒を持ってこられます弟子をやめられた山の案内人ですが、五年、縄を繕いつづけたら、その男が月の初めの三日のうちに必ず封筒を持ってこられます
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弟子をやめられた山の案内人ですが、五年、縄を繕いつづけたら、その男が月の初めの三日のうちに必ず封筒を持ってこられます 発売予定

830pt/913円(税込)

8/19(水)発売予定

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作品内容

【この作品は生成AIを使用しています】

封筒は帯もかけずに、私の膝の上へ置かれた。峰見小屋の裏手である。乾いた土に丸太を横倒しにしただけの腰掛けがあって、私はそこに座って縄を膝に乗せていた。
五千九百円だろう。違う。今日は五千七百。控帳の残りの欄に、私は零ではなく横棒を一本引いた。五十七回目。五年と一か月かけて、三十四万二千円の弁済がこれで終わる。
宇津木涼子、三十九。二十から山にいて十九年、椈平の詰所の長を二期六年やっている。樫村悠仁、二十九。五年前まで私の弟子だった男が、その日、弟子をやめると言った。今日から自分の名で客を取る。一日一万八千円で。
毎月、月の初めの三日のうちに、樫村はこれを持ってくる。五年、一度も忘れなかった。そして五十七回とも、きっかり百円だけ足りない。
控帳を繰り直して、私はようやく気づく。五十七回、一度も端数が揃っていない。揃わないように置かれている。
縄は五十メートルで四キロある。真ん中に一メートル二十だけ太くなったところがあって、薄茶の中に色の違う糸が七つの帯になって並んでいる。もう五年、私はほとんど毎晩それを繕っている。糸の玉は一玉三十メートルで、二か月でなくなる。
樫村が初めて自分の名で客を連れた日、私はその判断七つに値をつけて五千二百円を請求した。払わない、とこの男は言った。
小屋じまいが十七日早まって、私の七件、三十五万円が消える。そのうち四件を、この男が自分の名で拾った。じゃあ、あんたが減ればいいんだな。
詰所の集まりで、私は次の期の長を引き受けないと告げた。
十一月三十日、一晩で七十センチ降る。二人で峰見の六人を担いで、鞍部で、五年繕った縄が凍って裂けた。
天幕の中で、私は五年前の請求額の内訳を初めて言う。人手は来ていない。車は私の車だ。本当に無くなったのは、縄だけだ。五万四千円だ。
下小屋の板の間で、この男は抱きたいと言った。私は受けた。行為のあと、掌のまめを九つ数えられて、その静けさのほうが怖くなった。
雪解けの鞍部で裂けた縄を回収して、焼却場で燃やす前に、糸を上から一層ずつ解いていく。三十一層の下から、白い木綿が出てくる。きっかり百円だけ足りなかった訳は、そこで言われます。TL長編小説・全10章完結。

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  • 弟子をやめられた山の案内人ですが、五年、縄を繕いつづけたら、その男が月の初めの三日のうちに必ず封筒を持ってこられます
    8/19(水)発売予定

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    830pt/913円(税込)

    封筒は帯もかけずに、私の膝の上へ置かれた。峰見小屋の裏手である。乾いた土に丸太を横倒しにしただけの腰掛けがあって、私はそこに座って縄を膝に乗せていた。
    五千九百円だろう。違う。今日は五千七百。控帳の残りの欄に、私は零ではなく横棒を一本引いた。五十七回目。五年と一か月かけて、三十四万二千円の弁済がこれで終わる。
    宇津木涼子、三十九。二十から山にいて十九年、椈平の詰所の長を二期六年やっている。樫村悠仁、二十九。五年前まで私の弟子だった男が、その日、弟子をやめると言った。今日から自分の名で客を取る。一日一万八千円で。
    毎月、月の初めの三日のうちに、樫村はこれを持ってくる。五年、一度も忘れなかった。そして五十七回とも、きっかり百円だけ足りない。
    控帳を繰り直して、私はようやく気づく。五十七回、一度も端数が揃っていない。揃わないように置かれている。
    縄は五十メートルで四キロある。真ん中に一メートル二十だけ太くなったところがあって、薄茶の中に色の違う糸が七つの帯になって並んでいる。もう五年、私はほとんど毎晩それを繕っている。糸の玉は一玉三十メートルで、二か月でなくなる。
    樫村が初めて自分の名で客を連れた日、私はその判断七つに値をつけて五千二百円を請求した。払わない、とこの男は言った。
    小屋じまいが十七日早まって、私の七件、三十五万円が消える。そのうち四件を、この男が自分の名で拾った。じゃあ、あんたが減ればいいんだな。
    詰所の集まりで、私は次の期の長を引き受けないと告げた。
    十一月三十日、一晩で七十センチ降る。二人で峰見の六人を担いで、鞍部で、五年繕った縄が凍って裂けた。
    天幕の中で、私は五年前の請求額の内訳を初めて言う。人手は来ていない。車は私の車だ。本当に無くなったのは、縄だけだ。五万四千円だ。
    下小屋の板の間で、この男は抱きたいと言った。私は受けた。行為のあと、掌のまめを九つ数えられて、その静けさのほうが怖くなった。
    雪解けの鞍部で裂けた縄を回収して、焼却場で燃やす前に、糸を上から一層ずつ解いていく。三十一層の下から、白い木綿が出てくる。きっかり百円だけ足りなかった訳は、そこで言われます。TL長編小説・全10章完結。

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