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漫画(まんが) ・電子書籍のコミックシーモアTOP少年・青年マンガ青年マンガ 白泉社 ヤングアニマル ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 4巻
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作品内容

昭和19年11月24日、本部玉砕──。米軍が上陸を開始して、2か月半後、ペリリュー島における組織的な戦闘は終わりを告げる。しかし、田丸ら生き残った日本兵の多くは、その事実を知る由もなく、水と食糧を求め戦場を彷徨っていた。限界を超えた「空腹」は、兵士を動くことすら面倒にさせ、思考力を容赦なく奪う。そんな中、幕を開ける米軍による「大掃討戦」──。極度の空腹と疲労に苛まれ、意識が朦朧した状態で、田丸が見た日米どちらの兵でもない人間とは──!? 生と死が限りなく近くにある戦場で、日常に抗い生きた若者の「生命」の記録。第46回日本漫画家協会賞優秀賞受賞作!!

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レビュー

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─のレビュー

平均評価:4.7 70件のレビューをみる

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高評価レビュー

史実への誠実さある鎮魂のフィクション
戦争ものって難しいですよね。特に私は捻くれ者なので、現代人の論理で過去を裁くような描き方をされたり、逆に当時を美化していたり、善悪の判断を押し付けてくるようなものが苦手です。
が、この作品はどれにも該当しない、誠実さのあるものでした。戦争を知らない世代である著者が、史実を丁寧に受け止めた上で、フィクションの重すぎない匙加減で漫画作品として仕上げている、ペリリューで戦った方々への優しい鎮魂であると思います。
絵柄が重苦しくないために入りやすく、残酷性のショッキングさに目が行き過ぎないのが良かった。
登場人物達は実在の人物ではなく、あくまでこの作品は「かもしれない」フィクションです。だからこそ迫れる、人々の心情のリアルがあったと感じます。戦争を考えるきっかけとなる、良作……ただ、やはり史実に基く非常につらい内容で、繰り返して読むのは(少なくとも私には)きつい。一読入魂で、しっかり読むことをおすすめします。
戦争を体験していない著者も、戦争を体験していない私達も、想像するより他の手立てはありません。もし戦争中だったら、もし自分がペリリューに居たら、もし自分が彼らの隊の一員だったら?
そんな想像をして、想像しなければならないほど戦争から遠くにあることに感謝と、先人達への祈りを。
(外伝未読)
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7件
2023年6月28日
人が人であるには
ふんわりした優しいタッチの絵。サクサク読める読みやすさ…。そこから一気に引きずり込まれる、戦場のリアル。

壮絶です。
ペリリュー島の圧倒的に不利な戦況下では、上官も下級兵士も善人も悪人も関係なく、全ての命が消えてゆく。

ペリリュー島には当時1万人の兵士が送り込まれ、生き残ったのは34人――。

私はレビューを書くとき2回は読み返すのですが、この作品だけは読み返せなかった。
でも読んで何年も経っているのに、今も彼らの生きざまを思い出す。

人が人として在るためには、その人の心のよりどころとなる、ゆるぎない何かが必要なのかなと。
主人公の田丸は、吉敷がいたから人としていられたのかな……と。
外伝で描かれている主人公のその後の話も重く、深く、切なかった。

いろんなシーンが焼印のように心に焼き付いて、忘れられない作品。
このレビューで400件目。なので自分にとって特別な作品にしました。

2025年12月5日にアニメ映画として劇場公開予定。
映画版にも武田一義先生が脚本等に深くかかわっているらしいです。10巻の大作をどこまで映画として落とし込むのか、かなり悩まれたと記事で読みました。必ず観に行こうと思っています。
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10件
2025年2月20日
ぜひ読むべき作品
みなさんも書かれていますが、ほんわかしたかわいい絵と内容のギャップがすごいです。


私の祖父も、ペリリューではありませんが、戦時中南方へ出征していました。

戦闘はなかったようですが、食糧事情や衛生状態、上官からのリンチなどは凄惨なものだったようです(祖父は訓練時に殴られた後遺症で、左耳がほどんど聴こえなくなりました)。

認知症が進み、5分間に何度も同じことを聞くようになってからも、戦時中のことだけは鮮明に覚えており、それはいかに大変な時代だったかということでしょう。

もう亡くなって10年になりますが、もっと聞いておけばよかった、聞いたことを記録しておけばよかった、と本書を読んで思わずにはいられませんでした。

隣で笑っていた人が死ぬ恐怖、慣れていく恐怖、それができずに精神が壊れる恐怖、いつかは自分が、の恐怖、帰りを待つ側の恐怖


あたたかなタッチで、丁寧に戦争の怖さを教えてくれています。


語れる人がほとんどいなくなってしまった現代、聞いた記憶を引き継いで行くためにも、たくさんの方に読んでいただきたい作品です。
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13件
2020年5月30日

最新のレビュー

これから先もずっと平和であって欲しい
昭和二十年八月、陸軍軍曹として歩兵第十五聯隊に所属していた私の祖父は、パラオで終戦を迎えたそうです。当時は満二十四歳の若者でした。
「タコツボに隠れていたらいつの間にか戦争が終わっていて、現地の人が食べ物を持ってきてくれたんだって」とだけ、本当にそれだけ小学生の時に祖母から又聞きしたことがあります。
祖父本人の口から戦争の話が出たことは一度もありません。私の方から聞くこともせぬまま、祖父は天寿を全うしました。
なんだぁじーちゃん何もしないで戦争終わったんじゃん!祖母の話をそのまま鵜呑みにし、そう嘯いていた阿呆なクソガキだったあの頃の自分をぶん殴ってやりたい。
戦後八十年。その節目に思うところがあり、今まで何も知らなかった戦時中の祖父の足跡を詳しく調べてみることに。祖父がいた聯隊は、まさにこの作品の舞台であるペリリュー島の戦いに参加していました。
初めてその全容を知り絶句…。祖父からはついぞ戦争の話が聞けなかった理由がわかった気がしました。そして祖母はやんわりと包み隠すように、当たり障りのないことだけを小学生の私に話したんだなぁと。もしかしたら、祖母さえも本当のことは聞かされていなかったのかもしれない。
それから間もなく、アニメ化決定というネット記事で偶然出会ったのがこの作品です。
“ペリリュー”の文字を見て、読まずにはいられなかった。主人公の田丸さんと祖父が同学年ということにも、勝手に縁を感じてしまいました。
楽園から地獄に様変わりした南の島で、圧倒的多数の米軍と交戦する日本軍。作中のキャラたちはとても可愛らしく描かれており、サクサク読んでいけそうだなと思いました。
…が、やはり戦争物。ページをめくるのが辛かったです。みんな本当は戦争なんかに行きたくなかったはず、生きて家に帰りたかったはず。当時に思いを馳せ、そう考えるだけで涙が止まらなくなりました。
もう二度と戦争など起きて欲しくない、ずっと平和が続いて欲しい。戦争物でもこの作品のように可愛くコミカルな絵柄なら読みやすいと思うので、ぜひ若い方にも読んでもらいたい。そして、それほど遠くない昔に実際にあった悲惨な出来事について理解を深めてもらいたい。
日本のために命を懸けて戦って下さった方々に感謝するとともに、アニメ映画も幅広い年代の方に観てもらえるといいなと思っています。
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7件
2025年3月6日

書店員・編集者などオススメレビューをピックアップ!

忘れてはいけない若者から見た戦争の記録
制作:そのめろ(シーモアスタッフ)
昭和19年の夏、漫画家志望の田丸は、兵士として太平洋戦争末期のペリリュー島へ派遣されていました。パラオ諸島の南に位置するこの島は、日米合わせて5万人の兵士の戦場。飛行場を奪取すべく襲い掛かる米軍4万人と、徹底持久を命じられた日本軍守備隊1万人の戦いの行方は…?漫画編集者の後村が、戦場に赴いた祖父(田丸)の視点で語る本作。戦争をテーマにした作品はヘビーな内容でリアルな描写が多く、苦手な方もいるかもしれません。しかし本作は3頭身ほどのキャラクターでシンプルに描かれており、悲壮感を和らげています。極限状態でも自分の夢を追い続ける田丸の姿や、最期まで戦い続ける隊員たちの姿は、戦争を知らない世代にとって衝撃でしょう。自分が今いることの素晴らしさや、歴史を作った先人に想いを馳せたくなる作品です。原案協力は太平洋戦争研究会の平塚柾緒先生、作画は武田一義先生の本作は、2022年にアニメ化が決定しました。サンゴ礁の海に囲まれ、美しい森に覆われた楽園で実際に起こった戦争について知りたい方はぜひ読んでみてください。
戦闘中の美しいペリリュー島で…
広報:あずき(シーモアスタッフ)
武田一義先生による、太平洋戦争末期のペリリュー島での悲惨な戦争を描いた作品です(平塚柾緒先生(太平洋戦争研究会)原案協力)。2017年日本漫画家協会賞優秀賞受賞作。田丸は漫画家志望の兵士。昭和19年の夏、太平洋戦争末期のペリリュー島にいました。この島で見聞を広げて帰ったら冒険漫画を描きたい。青年らしい夢を描きながら田丸は島での仕事に従事します。しかし、アメリカの攻撃は激しさを増していき…。サンゴ礁の海に囲まれ、美しい森に覆われた楽園の島で繰り広げられる、あまりに悲惨な戦争と飢え。可愛らしい絵柄で、大変読みやすく、戦争物が苦手という方でも手に取りやすいです。内容は戦争ものだけあって、大変重く辛いですが、決して忘れてはいけない出来事がストレートに伝わってきます。戦争の緊迫した場面が続き、どうなるのかどんどん読み進められます。読み応えのある素晴らしい作品です。

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