「ペントハウスの愛人」は「パークアベニューにようこそ」のシリーズ物最終巻。此より前に5巻有る。他は読まなくて大丈夫だが、単品で全巻読んだ私は、(多くの評価の集大成である全体の数字の高低と、私の付けたのとはメリハリが異なっていて)1と2が4星
、3が5星、4と5は3星。いつも甘めの私だが、このシリーズは実は平均値4、高くはない。その中では、6はトリに相応しかったので5星。
上手い筋運びで、ヒロインの探査活動がスリリング、予定外のフォーリンラブで調査相手の魅力に翻弄され、と、結末まで飽きさせない。画力高い橋本先生の描かれるペントハウスが、ゴージャスさを出せていて納得の高級感。
「値札付きの愛」は、「キンケイド家の遺言ゲーム」3巻目。この三部作も他は読まなくても十分。「十分」としたのは、この遺言を遺したヒロインの父親が、作者がよくも憚らずに書けたな、というお話の世界としてのとんでも設定だから。ほかの子ども達もこの父親に非道い目に遭わされているので、一作でも辛いのだ。一番苦難を味わされた彼の半生を思うとーーー。それだけに、そこを跳ね返し手にしたものは!に感慨。
単品で文句無く星5を付けた(シリーズで3作品いずれにも5)。
「男と女のゲーム」も、三部作物「恋はポーカーゲーム」の2作目。これこそは、1も読んでおいた方が理解を助ける。他のポーカーのメンバーとの関わりが判る。但し、3巻目は、ポーカーと関係がないし、ストーリーに混ざる過去の悲劇が少し辛い(因みに1も3も私は単独で4星を付けた)。但し三部作でのセットがあるので制覇したいならそこを当たってもいいのかも。スピンオフ「憂いのシーク」(私は4星)有り。
シリーズタイトルに最も内容が沿う作品。手の内を見せない二人が、意識しあって緊張感を高めて、意識するゆえに対立する。関心が強いあまり、勝ちを意識した手札の時に彼はヒロインに、賭けの対象にしては挑戦的な提案を。それは本当に下衆な下心からなのだけれども、ヒロインを得る花いちもんめみたいなものかも知れない。ヒロインは、やはり、彼に関心が大いにあった為に、このサシの勝負を逃げも隠れもしなかった。凄い火花と覚悟で勝負の勝者は賭けの対象(獲物)を得る訳だが、勝負に勝ったのは彼と言えるのか。真の勝者はルネではなかったか、というゲームをたっぷり描いていると感じた。なので、他のレビューアーさん達の評価が驚くほど低いが、私は4とした。
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