ファルカという存在、オットマー家の代々の病。ポーの村の皆の眠りをわざと連想させる? 「さまよえる者」、やはり近いところにエドガー達と近い存在がいる。彼らは長いときの中で広く同族として助け合う。しかし時に考えてしまう自分の存在感の危うさ。
ブランカはあのときエドガーをどう想ったか。手をさしのべたとき。
また、クロエも不気味だ。執念深さが不安感を煽る。
その中で、ブランカは歌をうたい、エドガーと心を通わせようと。好意と反感。
たくさんのパーツが入り込んで絡み合う。死があり、「気」のやりとりがある。
子どもの突発的行動のアクシデントが波紋が広がるようにそれぞれのこれからを変えて行ってしまう。
「見える」ってなに?わからない・・・私には急にこれ迄とジャンプした異能の芽生えに思えて、ますます世界観がわからなくなった。
そして、ブランカの空虚、その後の彼女の生。
それが萩尾望都先生の描かれた「春の夢」。ブランカの見ていた夢はあの頃のもの、もはや叶わぬ遠いものになってしまった。
私が昔見たエドガーもアランも居ない。しかし、そこに作者が同一人物として扱う以上は、そうなのだと考えるほかはない。青い霧らしきものは感じ取れた。しかし、黄昏は感じ取れなかった。
永遠の時を生きる、その意味が物語を貫いている感じはした。
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