作品紹介にあった海賊の末裔一族という事は作中に何の説明も無かったから、原作ではそういうことなのだろうと想像するしかないのだが、ならず者扱いなのは表されていた。この先生の作画は、線の止め、繋ぎに違和感があるが、表現したいシーンの切り取りは上手
いので、気にならない。むしろ、裂きイカの如く味わえる。物語は、ロミオとジュリエットの一族だけが改心しても、世間がその確執を改めぬゆえに引き起こされた悲劇というべきか、シコリとしてあるものは単純なのだが、人ひとりの一生を考えると恐ろしく不安で辛い気分にさせられる。ヒロインアニーはそれと引き換えに恋を封じた。ヒーローサムからすれば、訳も分からずに袋叩きにあい、島を追い出される憂き目となったわけだけれど 気持ちは無くなっていなかった。その一途さと、恨みとで捻くれた物言いにガキ臭さが有ってロマンスというよりは、少年の恋模様のような青臭さが漂う。また、彼の出自が分からない。マートルおばさんとの関係は?引き取られたという設定だが、血縁は無いのか?そこのところが曖昧でもったいない。
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