HQあるあるの金目当てとのヒロインへの彼の誤解が解けての告白が、その他の要素豊富で相対的に比重軽い。
嵐到来と、その後の彼の奔走も、事態としては深刻だったようなのに、そこまで大変な感じが伝わりにくい。
おじいさん、お母さん、お父
さん、お父さんの奥さん、いろいろドロドロ。でも、込み入った描写省いて、結果だけ言葉で説明される。
一人一人のその行動の裏には事情があるかも知れなくても、多くがキャラに切り込んだ場面として見えてこず、胸中をさらけ出した感じがどこか足りない。
彼と、彼のお母さんの距離感、ヒロインの父と彼のお母さんも、キャラたちの位置情報のみで、それぞれの心境は余り見せてこない。
絵はいつにも増して風景コマとか雰囲気を感じて入り込めるが、この話の二人の展開には入り込めなかった。
彼は仁義を切って、母親に自分の結婚の意思表明を切り出す。
夫に裏切られ、息子も、となれば、いかなる非を人から攻め立てられようとも、彼女にしてみれは、そこは笑顔で祝福など普通にできなくて、むしろ不思議はない。彼女も、別の組み合わせなら幸せになれる(た)かも知れず、その年で次の幸せを求める筋立てに、ある意味このストーリーのバイタリティを感じた。彼の最後の、白黒の付け方に、犠牲者も出た激しい嵐の後の、太陽光線キラキラの晴れ間の到来を見た気がした。
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