何の科(とが)もなく排斥され、山奥に一人暮らす青年・神澤と、都会の生活に疲れ旅する青年・中嶋。孤独な二人が出合い、恋に落ち、結ばれるまでの哀しくも美しい物語。
過酷な生活を送る神澤はことある毎に「大丈夫、平気」と口にしますが、最後まで読ん
でから再読すると、その言葉は彼自身に言い聞かせているものなのだということがわかります。中嶋の優しさや温かさに触れる度に神澤の見せる寂しげな笑顔が健気で健気で。二周目以降が味わい深い作品になっています。
森や海などの風景も丁寧に緻密に描かれており、何度でも読み返せる良作です!
いきなり下世話ですが、ちゃんと体も結ばれますので肩透かし感もありません。
あ、1つだけ不満が。タイトル、捻りすぎ。おばさん覚えられないよ。もうちょっとシンプルなのが良かった。
もっとみる▼