生まれつき頭部に花をもって産まれるトーカと、そうではないムトーカと呼ばれる人たちが混生する世界。まず、この世界観がもうすごい。好き。ファンタジーなんだけど、頭部に植物が咲くという以外はまったく普通の世界なのが素晴らしい。また、頭花を失くして初めて『持たざる者』の立場になったのばらちゃんのことを、優しく受け入れてくれる人や場所があって本当によかったと思えるような素敵な話でした。とにかく、のばらちゃんと藍くんの二人がどうなってしまうのか気になって、一気読みしてしまいました。柔らかく静かで美しい、でもどこか儚さも含んだ絵が、話にすごく合っていたと思う。大変満足です。
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