表紙と帯から滲み出る背徳感に惹かれてサンプルをチラ見。独特な絵のタッチで表紙とギャップがあり迷いましたが、半額SALE+クーポンでポチってみました。顔を見るより先に脚でその人だと気が付くの?爪の形や指、ホクロ等の特徴的なものではなく、甲で。
上級者だな… と思いつつ読み進めると、あぁ なるほど。これは単なる脚フェチの話ではなく、彼にとっての運命の出逢いであり運命の脚だったのかと。ほんの一瞬の出来事、その一コマが少年の心に閃光を走らせ火を灯し、残り火は胸の奥に巣くって熱を失ってはいなかった。10年以上も写真で眺めるだけの脚が目の前にあったなら… そうね、繋ぎ止めて存分に愛でて味わい堪能するでしょうね。ずっと触れたくて堪らなかった赤いハイヒールを履いた脚… それはSEXよりも興奮するし、天使を傷付けてはいけないのだから。簡単に身体の関係を持つよりも、心も身体もじわじわと浸食し浸食される方が何だかエロいなぁと感じる本作。ノンケが何故?絆され流され?とも思いましたが、心の奥底で愛される事を渇望していた行成には 丸ごと受け止めて過去の悲しい別れから引き剥がしてくれる少々強引なくらいの愛情(執着)が必要だったのかな。もどかしい大人の恋を心の移ろいでシンプルに描いて魅せてくれる良作だと思いまいした。… が、サラリと読めて少々余韻に欠けてしまうのは否めないかと。シンプルだからこそ人物の背景をもっと詳しく知りたいと思うし、場面転換が早くてパパッと切り替わってしまうので余韻や間の1コマ2コマを挟んでくれたら印象深いシーンになっなのにな〜と思う場面が何ヵ所かありました。それと行成がオカマバーで働いていたのが謎で、塗装工ってそんなに稼げないの?と気になってしまった。子供も小さくてお金が掛かる年でもないのに。治療費の借金があって働いてるとか?… にしても何でオカマバー?他に割りの良い仕事はあるだろうし。もしかして行成もあの時トキメキを覚えて… だと面白いな〜なんて勝手に想像しちゃいますが、その辺も知りたかったです。初読み作家さんで他の作品もチェックしてみましたが、BLは本作のみで今は女性マンガを描いているんですね。絵は綺麗になって読みやすくなっていますが、本作のクセのある絵もストーリーと合っていて味があって良かったと思います。この個性を大切に、またいつかBLを描いて欲しいと思う作家さんでした 総評3.5で☆4にします。
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