物語の根幹からメタフィクションの塊で、もう作者の光永先生は徹頭徹尾自分の作品で遊んでます。まず題名からして素晴らしい。「時間停止勇者」この漢字六文字で、この漫画がもうパロディでギャグ漫画で、俺ツエー最強と言う、読者が求める欲求に素直にお応え
します、皆様の御来場お待ちしておりますと、皮肉を匂わせつつ客を喜ばせる気満々の温泉宿名番頭感ありありです、本当にありがとうございました。
光永先生は「怪物王女」の頃から膨大な知識を基に精密に作り上げた自分の世界観で、敢えてメタっぽいお馬鹿展開をして(そして女性キャラを理不尽な迄にセクハラするエロで)ファンを作り上げてきた方ですが、この時間停止勇者は理性も見栄も捨てて、ダイレクトにメタフィクションとエロを盛り込んで来て、読者に総ツッコミを入れさせたいと言わんばかりの仕上がりです。
でも物語展開は緻密に考えていて、このメタい世界にも一応謎があり、その謎を毎回小出しにして読者を飽きさせない、なかなか上手い(ズルイ)手法を展開してきます(ここは流石ですね)。
最後にこれだけ男性読者の欲望にお応えする展開(ヒャッハー)なので、さぞかし「Hなのはいけないと思います」とどこぞの中世キリスト教修道女か、学園ラブコメの学級委員長かが抗議が殺到しそうですが、光永先生の絵柄が透明感あると言うか、エロ描写に情念を感じさせない素晴らしいステルス助平度なので、そういった心配が要らないのもポイント高いです。コレでママも安心だ、まいっちんぐ!
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