仕事も恋も順調に運んで、広告業界に入ったばかりの「新人」としては異例の大躍進。
社長の着目による突然の謎の大抜擢は、恋愛関係の急発展にも及び、私は納得できる裏付け描写を見なかっただけに、あまりにあっけなく掴み取る成功の華々しさが嘘臭く思え
て、どうも腹落ちしなかった。
また、コマ大きめで人間だけが収まっているのが先生の作品には多くて、たまに思い出したように、建物だけポーンと出されて自然な感じしない。
助言者や見込んでくれる人、励ましてくれる人チャンスを与えてくれる人、様々な存在がヒロインに、前へ進むエネルギーを与えてくれるところ、とてもいい。頑張った人にはご褒美、とばかりに、ヒロインが得られる果実は美味しいが、ところ構わずに×××に及ぶのと、警備員とのやりとりの「余裕」に伺える彼の人となり?、彼の女遍歴へヒロインがただ連なってしまった印象が、作品に不潔感を持ち込んだ。イベントの裏方として、イベントの裏でも二人の打ち上げ、盛り上がる当人達の描写という動機からなのだろうが、見境無い感じが嫌だ。
彼の過去の女、業界の公私混同ぶり、正直スッキリとは行かなかった。父、母の役割もぶつ切れで入った。
何より、ヒロインが彼を好きだったからこそ成り立った。でなければ、ただのセクハラ。抜擢と引き換えの。
ヒロインは努力し、周囲が彼女のことを認めていたからこそ、の話。すべてが危ういし、クリーンな気がしない。
座席のことも、ストーリーをドラマチックに持っていこうというのはわかるのだが、どうも作りすぎ感がしてしまう。
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