人にひかれていく気持ちなんてコントロールできるものじゃない。しかし相手がどう思ってくれているか、これもどうこう出来るものじゃない。
簡単に、じゃぁ別の人、と切り替えられない。置き換えのきかないのが恋愛だろう。
妊娠中に、愛情の確信がなか
った時期にあっても、本当はずっと好きだった人と二人きりで過ごせて良かったのでは。健康な妊婦ならば、母体の健康維持のためにも、普通の家事なら、した方がいいし。
彼の女性観、家庭観に影響を与えてきた両親の関係や、父親と再婚相手の関係、それらを、知らなかった側面からの視点に捉え直すことで、考え方が変わる。
結局夫婦のことは夫婦にしかわからない、男女はその男女のみが知る心情がある、そんな事を語った話。
また、たとえ身体が結ばれたとしても、その内心は、吐露されない限りわからない、ということ。
お話の世界は、本来なら見えなかった所を、そして、伝える気になったかどうか対峙するまでわからなかった本音を、公爵たるものかくあるべしとの価値観がんじがらめだった彼に、一人の男にかえって一人の女性に向かって膝を折って示してくれる。
端正なのだが人物の表情には、もう少しバリエーションが欲しい。彼のふんぞり感が増長してしまう。
ただ、髪型の変化は良かった。稀に男性が髪を後ろなどで縛ると目が吸い寄せられることがある。長髪が減っている今、漫画だと髪型に多様性を持たせられるのは、チャーミングなルックスを増やすことになり、私は歓迎だ。
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