転生無し追放無しの王道ファンタジー。
とにかく、なろう系と呼ばれる作品にありがちな極端な性格・人格・設定のキャラクターが存在しないことが大きい。まともな性格のまともな人格を持ったまともな設定のキャラクターが魅力的な世界で繰り広げる成長物語
を丁寧に描いており、ファンタジー学園ものの王道としての面白さを味わえる良作。
特に2巻で、主人公が所謂俺TUEEE系イベントが発生するが、それに対して教師が「目的は正しいが、手段が間違っている」「格下だと理解した上で相手を陥れるよう仕向けるのは卑怯」といった意味合いのことを言って主人公を諫めるごくまっとうなシーンがあるのだが、このような描写を他作品では残念ながら見たことが無い。(だいたい教師含めた周囲のキャラクターが主人公SUGEEして終了である)
設定だけなら「魔術の高い才能があるらしい主人公が魔術を教える学園に途中入学」「主人公は生い立ちの関係上武術の能力が高い」といった、他のなろう系学園ものでもありがちなものだが、上記のようにまともに丁寧に描けば面白くなるという好例。
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