このレビューはネタバレを含みます▼
この作品は、逆行したヒロインが未来を知っているメリットを生かしてサクサクスッキリ復讐……という物語ではありません。ヒロインは全知全能ではなく、失敗もします。愛する人の手を血で染めたくない、亡くなると分かっている夫の大切な人達を守りたい-木綿は最初、そう思います。でも失敗と成功を繰り返した後、綺麗事では目標を達成できないことが分かります。最後まで読むと重い物語かもしれませんが、読んでよかったです。
ヒロインの木綿は、賢いんだけど、ちょっと抜けていて、いつも悪党景王(逆行前に裏切られた夫)に出し抜かれていてハラハラしました。第60話ぐらいでようやくちょっと景王にダメージを与えられるのですが、その後も第110話ぐらいまで景王に反撃を許して木綿の復讐劇は行ったり来たりを繰り返します。その後は木綿が有利になるかと思いきや、そうは簡単に問屋はおろしません。第2皇子幽王の縁談が出てくる第160話ぐらいから一気に状況が動きます。
木綿の逆行後の夫の秦王は、賢いけど、優しいから非情になれない人なので、彼にもハラハラしました。だから木綿は、彼の手を汚したくなく、幼馴染の謝赫に打ち明けたことも秦王には打ち明けていなかったので、秦王と木綿の夫婦関係にも気を揉みました。でも秦王は、木綿を常に信じて愛でくるんでくれる光のような稀有な人なので、木綿は彼なしでは潰れていたかもしれません。
秦王は、木綿の復讐や謀反阻止計画には、最終場面以外は大して役立ちませんでしたので、木綿の軍師のような役割は謝赫が担っていました。彼は作戦面だけでなく、木綿の兄のような存在で常にお互いを思いやって強い絆があり、ここぞという時に木綿と秦王を助けてくれました。木綿は秦王の手を血で汚さないで自分の手だけ汚すつもりだったのに、秦王が父親を捨てて木綿を取る選択肢を謝赫は教えてくれました。謝赫なしにはこの物語は成立しなかったと思います。
ここまで引っ張ってあんなに悪どくてズル賢い景王が最後、ちょっとあっけなさすぎたのがすごく意外ではありましたが、結末が木綿と秦王の勝利と2人の愛と絆でホッとしました。欲を言えば、2人が皇帝皇后として国を治め、もっとたくさん子供も授かって跡継ぎに恵まれたところも見たかったです。
絵は綺麗で好きですが、3、4、8話の途中が白黒なのは残念でした。