漫画が面白くて原作を購入したのですが、ぶっちゃけ漫画の表現力が圧倒的すぎてビックリしました。
原作は良くも悪くもお手軽TLストーリーなのに、漫画の方は原作が味付け程度に語ったイベント的出来事がストーリーに重みを加えており、ヒーローとヒロイ
ンの恋愛をより性愛だけではない信頼と尊敬の愛情にしている。
また、なーロッパといわれるなろう特有のヨーロッパ表現で顔つきは東洋人という既存TLあるあるを蹴散らすどうみてもロシア系に系譜を持つ登場人物たち。女性でもいかつい肩幅にみえる洋服の装飾。使われる食器も銀製品のポットやカトラリーで陶器磁器ばかりを持ってこないのが素敵…。世界観を織り込んだ小物や生活風景、馬や砦の描写など、圧巻です。これは知識や丹念な下調べがないと自然に漫画に織り込めないやつです。
そしてなにより、既存のTLと違うのは女体と思いました。
TL慣れしすぎててハッとしたのですが、細い手足に大きな胸のメリハリ女体のTLに対し、レディコミ作者さんはなだらかな曲線のどっしりとした肉感的な女体を描かれる。こういう異ジャンル間の横断を決めた人すごい!
何もかも素敵すぎて、ベテラン作家さんが描くTLの世界をもっと見たくなりました!
甘いシーンも実況中継系のセリフをバッサリ取捨選択しているのに濃厚でしっとり大人の雰囲気(でもフィーナは初々しい)にしているのも漫画ならではの世界観とあっていて素敵です。
〈蛇足〉ペッペ君、漫画では自分の名前がかけたよ!と紙に「ペッピーノ」と書いてあって、イタリア系移民か!だからこの境遇なのか!と母子の行動がものすごい腹落ちするとともに、漫画の作り込みに感嘆しました。(原作にはペッペという名前だけでこのシーンがなかったと思いますので、漫画家さんと原作者さんが緻密なコミュニケーションしてるのかも。)そもそもヨーロッパではないですけどね!
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