標準治療で経過観察に至るまでの、つらいことの多い闘病の記録だが、くぐりさんの気取らないスタイルでなんども読ませます。画力もあるし、現実を正直に表現する胆力もお持ちです。漫画家になる夢が闘病生活を支え、闘病生活がその夢を後押しするという奇跡の
相互作用の産物が本作。だからこそ、くぐりさんの夢と闘病生活に寄り添う夫君と息子君が登場する場面は、楽しい場面であっても涙滂沱となります。
これだけの漫画にするには、受けた治療の詳細をそのたびに記録しておいたはず。その気力がすごいです。点滴する身でなかなかできることではないでしょう。静脈炎のこと、鎖骨下に埋めこむポートのことなど、勉強になりました。枠外に医師の説明が付けられているのも親切。
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