「見つけた。俺の春だ──」帝国一の大財閥である主鷹司家。その邸には全ての四季が存在する特別な庭があり、帝都を悪しき蟲から護る結界の役割を担っている。その庭は、四季を司る四大家から選ばれた管理人達によって管理されていた。幼い頃に両親を亡くし、四大家の一つである春咲本家に引き取られることになった日桜。本家の娘に虐げられ、使用人以下の扱いを受けていた日桜は、ある日、父親の形見のヴァイオリンを弾いたことで運命が一変する。命の危機から救ってくれた大きな手が、日桜を拾い上げる。「お前だけだ。お前だけが、俺を……」新たな場所での幸福な出会いが、日桜の人生を彩っていく──。