「さびしい…そんな思い忘れてた」
人間を攫う海獣≪クラーケン≫伝承が残る港町。
唯一の家族を喪い天涯孤独になった青年・リュカは
寂しさから逃れるように夜の海を訪れ
岸辺に横たわる青年・オクトを助ける。
リュカと同じ人の姿をし褐色の肌に銀の髪をもつオクトだったが、
忽然と露わにした腰から生える触手を巧みに操るその姿は
まるで伝承のクラーケンのようで――…。
伝承に語られるような恐ろしさを感じさせない
努力家で優しいオクトとの日々が
次第にリュカの心を埋めていくのだが…
伝承の人攫いクラーケン×天涯孤独の人間。
運命が繋ぐ、時を超えた孤独を埋める物語。