「もう放さない、ずっと一緒だ」結婚して4年。子を授かれず、身体を壊し、夫からも見放された伯爵夫人のエルナ。冷たくなった夫に耐える日々の中で、唯一の救いは義弟であり辺境伯のテオだけだった。いつも優しい彼と過ごす、穏やかな時間に癒やされていたけれど…。夫の陰謀で命を奪われかけたことで、テオの歪んだ愛が堰を切ったように溢れ出す。「アイツを地獄へ落としてやる」助け出された刹那、重く静かに言い放たれた声に背筋が粟立つ。息が詰まるほどの強い抱擁と冷たい瞳に射抜かれながら、自分を見捨てた夫へ一矢報いるため、テオの手を取るエルナ。それは狂おしいほどに甘い執着愛の始まりだった――。