多くの漫画家や絵師は猫を飼っていると聞くが、私の飼っている猫は人の形をしている。そして、言葉を話し、
自由気ままに飼い主である私を翻弄するのだ。
いつものように漫画に頭を悩ませていた私に、猫は珍しく「手伝う」などと言い出した。いつもは邪魔しかしな
いというのに、どういう風の吹き回しだろうか。猫の手も借りたいほどに切羽詰まっていた私は文字通り、猫
の手を借りたというわけだ。
そして、どういうわけか私と猫は自身の生み出したキャラクターによって、謎の世界に飛ばされ、追われる身に
なってしまった。
次々と不可思議なことが起こり、混乱しながらも私と猫は一つの真実にたどり着く…。