タクミンとルイ 上【電子限定漫画付き】

高校時代から付き合い始めて10年目の2人、生真面目で融通が効かないタイプの拓海といつも笑顔で人付き合いも上手な類。それでもお互いが大好きで、マンネリも冷めた感じもまったく無い。でもどこか噛み合わなくて不協和音を感じる。
それはなぜかと言うと、相手が大好きだから傷つけたくない、いいところだけ見せていたいし一緒にいる時間を苦しいものにしたくない。
じゃあそこからどうするのか？というのが全体を通した大きなストーリーになってます。

いやーーーよかった、読んでよかった……！いわゆる陰キャ×陽キャBLが私は大好きなんですが、そんな簡単なお話じゃなかった……！！
大好きな相手だから自分といる時は楽しいことだけ考えててほしいと考える類くんの健気さ、でもそれが自分も拓海も苦しめてて、拓海も拓海で自分がいるせいで類は自分の好きなように過ごせてないんじゃないかとかグルグル考えてて、いや！それ！話し合え！！！！って感じなんですけど、本音でぶつかるのって怖いよね。だって別れたくないんだもん、好きだし、一緒にいるときに真面目な話とかするのやだし、って類の気持ちめちゃくちゃわかるーーー！タクミンが自分のせいにするせいで相手に嫌な気持ちさせちゃうのもわかるーーー！
タクミンとルイの恋愛もそうなんですが、それを軸に語られる他の人間関係もしっかり描かれていて、またそれが身につまされるというかしみじみ「わかるかも……」になるんですよね。高校時代なんか何もよくわかってないまま勝手に腹を立てて人を傷つけちゃったりしてたんだよなぁ。
MVPは類のお姉ちゃんですよね。おかげで10年目にして本音でぶつかって、その先も一緒にいることを“選ぶ”ことができたわけで……今が楽しければいいじゃん、な類だけど、今を続けていくことで未来になるんだよねえ。
はー、ほんといい話でした。しっかりちゃんとBLなんですよ、エッチなシーンもあって、だけどしみじみ人間関係の話がよかったです。レビュー少ないけどもっとたくさんの人に読んでほしいなぁ。