西天国四大名家のひとつである冬ヶ守家の娘・氷魚。国内屈指の名家に生まれながら、白い髪に紅い目という異形のために実の母に疎まれ、母に溺愛されている双子の妹・香魚からも蔑まれて、まるで女中のように虐げられて暮らしている。唯一の心の慰めは、時おり母から褒美としてもらえる金平糖だけ。「お母様の言いつけを守ってよい子にしていれば、きっといつかは香魚のように愛してもらえるはず」と信じて、辛く切ない毎日を過ごしていた。そんな氷魚がある日突然、隣国・東天の国主に嫁ぐよう命じられ――!?龍の棲む世界で紡がれる、心ときめく和風ファンタジー!